守りたいもの【派生、SAO二次創作】 (ページ6)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:671 hit

├ ページ6

＊

「えっと、君の名前は“アイリス”で合ってるかな？」

『アイリス？………ぁ！この世界での名前ですね！
うんそう、多分ウチがアイリスです』
自分にも言い聞かせるように応えると目の前の男性は多分、てと口元を抑えながら笑いを堪えていた。
何故笑う？
ウチは首を傾けながら男性を観察した。

軽く20歳は超えている見た目。明るい髪は耳下くらい瞳は緑色だろうか。
はて？このような外見の男性に知り合いはいただろうか。

そこで気づく、確か初期設定で外見を好きにイジれるんじゃなかったかな？
己の今の外見も友人の趣味丸出しなもので正直説明したくない。
これじゃあ知り合いがいても気付いてもらえないじゃないか！
(私は気づいて欲しくないよ By 友)

ぬぅ……一人で百面相していたらとうとう目の前の男性がぷっ……と吹き出した。

「君はゲームの世界でも君なんだね」
『え？』
“ゲームの世界でも”？ということは現実(リアル)のウチを知っている？
そんな人は限られている。

「まだ分からない？──“せっちゃん”」

！！

この呼び方、仕草。まさかまさか──？！

『由唯くん？！』
「ん、当たり」
まさかまさかでしたー！！

とりあえずゆっくり話をするために見晴らしの良い野原にやってきた。
ここはまだ安全地帯らしく、モンスターは出てこないみたい。
ウチらは木陰に並んで腰かけ、景色を見ながら経緯を話し合うことにした。

『まさか由唯くんもSAOをやってたなんて知らなかったなぁ』
「まぁ、ゲームなんてほとんどしたことないしなぁ」
今回も理由がないとこんなゲームしなかったと思う。
そうボヤく由唯くんはどこか遠くを見ているように虚空を見つめていた。

一体何があったか気になるが聞いていいのか？
聞こうか聞くまいか悩んでいると「聞きたい？」と問われる。
考えていたことと一緒なことに一瞬肩を揺らすも、やはり気になるのでオズオスとうなづいた。

「話の発端は…ある人のお祝いについてとある友人に問われた時のことなんだけど」
言いにくそう。でも聞きたい。
ウチははやる気持ちを抑えて次の言葉を待った。

「何にしようか迷ってるって言ったらある提案をされたんだ」

──オンラインのゲームでひと時をすごしてみたらどうだ、と。

『！』
あれ、このパターン。聞いたことあるぞ。

＊