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アインクラッド編 ページ5




ピロン─《 はじまりの地 》

『わっ!』
突然目の前に表記された文字にウチは思わず声を上げてしまった。

『はじまりの地ってこの街のことかな?』
恐る恐る門を通ってみる。
キョロキョロ ビクビク オドオド…
傍目から見たら挙動不審だろうウチの行動に近づく者はいない。
大きく拓けた広間のような空間にウチはポカーンと口を開けて呆けた。
後ろから気持ちのいい風が背中を撫でる。
その風に乗って土と葉っぱ、ほのかに何か美味しそうなものの匂いもした。

どこを見渡しても違和感のない風景に、ここがゲームの世界ではないのではないかといく錯覚さえ起こりそうだ。

また風が吹く。
ウチは“長い桃色の髪”を耳にかけながらその風景を満喫した。

……外見は気にしないで。友人の趣味だから。

誰に言うのでもなくそう心で呟くウチの顔は死んでいたろうな。

え、と。まずは何をしなきゃいけないんだっけ?
初期武器は選択制だが、友人のアバターを使っていたウチにその権限はない。
友人のレクチャーで何となく見よう見真似で左手を動かした。
人差し指を空間をなぞる様にタッチする。
すると

ポーン、という効果音とともに何か画面が出てきた。確か、メニューウィンドウ、だったかな。
こういう所はデジタルなんだと噛み締めつつも作業は止めない。

えっと身体情報……ステータスは、と。

アバター名:アイリス

ん"ん" 何とも友人らしいネーミングセンスに笑いそうになるのを必死に堪えスクロールする。

『初期装備……は今着てる服のことだね。武器は……短剣か』

これなら投げたりもできるしウチでも使えそう。
てっきり刀とか両手剣とか使ってそうだったけど意外だ。
たまに見るゲーム風景がそれな故に意外性を感じているのだ。

ってことはまずはこの世界に慣れなきゃだ。
もしウチも同じものを買えたなら、少しは役に立つってところを友人にみせたいしね。

ふん!謎の鼻息を吹いて気合い入れをした後
ウチはまた門の向こうへ行こうと歩き出した。


「ねえ、そこのお嬢さん?」
『ん?』

話しかけられた気がする。
辺りをキョロキョロ見渡すも知り合いは居ない。

『………気の所為か「んー、俺 呼んだんだけど」わっ!』
いつの間にか。と言いたくなるくらい近い距離で話しかけられた。
今度こそ視認したその人は男性でウチより背が高い。

びっくりした。

驚きに脈打つ胸を抑えながら、目の前の男性に目を向けた。

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シオン(プロフ) - 続き楽しみに待ってます (2021年9月28日 19時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年7月25日 15時

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