守りたいもの【派生、SAO二次創作】 (ページ13)

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外で、夜型の野鳥がホゥホゥと存在を告げている。

今夜は一緒にいて。
ウチの我儘に由唯くんは優しく微笑みうなづいてくれた。

乾いた布と布が擦れる音が嫌に大きく聞こえる。
ウチは隣で眠る彼を起こさないようにベッドから起き上がった。

毎日大変なのに、ウチを第一にしてくれる優しい恋人。
ウチの愛しい人。

だからこそ………離れなきゃいけない。

(─ごめんね)

するりとベッドから抜け出ると、空間をなぞりメインウインドウを出現させる。
キャミソールからいつもの装備服に着替えドアの前まで歩くと後ろを振り返った。

『───いってきます』
今度は、ウチがキミを守るから。
昨夜から存在する左薬指のそれを手袋越しに撫でる。

(これだけ、お守りに借りてくね)

唇を噛み締め、ドアを開けて重い一歩を踏み出す。

ゆっくりと閉まった扉の向こうで、閉ざされた瞼から一筋の涙を流す彼の姿があったことを、ウチは知らない。

「──よう、待ってたぜ？」
あのまま来ないのかと思ってたがよ？Comrade？

ニタリと笑う男──PoH(プー)。
この男によってプレイヤーキルの一端をになってしまったウチは、共犯というレッテルを貼られ共に来るよう強要された。

断れば、ウチの大切なモノを壊していくと脅されて。

『……仲間になるとは言っていません』
「そうだったか？まあどっちも同じことだろ」
共犯同士仲良くしようぜ？
肩に回された手を今すぐ払い除けたい。
己を律するように唇を噛み締めコブシに込める力を強めた。

『……“私”は貴方達を監視するために離れたにすぎません』
「愛しい愛しい恋人からだろォ？」
粘着質な視線が嫌で仕方がない。
ウチは男を睨むと、直ぐに目を逸らした。

視界の外で可笑しそうに笑う男の声に混ざって、乾いた風がウチの頬を撫でた。

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