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広いテーブルの真ん中に、ちょこんと置かれる大きなホールケーキ。
キャンドルの炎が、少し湿った刹那の瞳の中でゆらり揺蕩う―――
「ほら、早く消さないと―――七瀬の曲が終わっちゃう」
『全然平気だけどね。お望みとあらば幾らでもアレンジするよ？』
「じゃぁ二人でケーキ食べとくから、七瀬そこでバックミュージックやっててよ」
『それは酷いな―――俺だって食べたい』
「そして忘れられた俺の扱い、酷くない？」
目の前で繰り広げられるいつものコントに、刹那は緊張の尾が切れたのか、目尻を光らせた。
「ほら―――刹那？」
葵に背を押され、大きく肺に息を吸い込むと、すぼめられた唇から一気にそれを解放した。
ゆらりと揺れる炎は、込み上げる感情で弛んだ頬では 一回で消し切れない
「あれっ……？」
震える声に、
友が―――肩を押してくれる
「ほら、もう一吹き！」
「頑張れ綿貫！」
３回に分けて吹き消されたキャンドル―――
「「『HappyBirthday！！』」」
―――せっちゃん。刹那。綿貫。
一瞬訪れた真っ暗な静寂に 3人の声が重なった。
タイミングを合わせて灯るダウンライトに、喝采の拍手が鳴る。
何事かと遠目に見ていた他の客達も、その意図が分かると惜しみない拍手を送ってくれた。
恥ずかしそうに頬を染め、両手で顔を隠してしまう刹那を真ん中に、気を利かせたウエイターが記念写真を撮ってくれる。
後から運ばれてくる料理と、追加される二人の分のドリンク―――
そう、全て由唯達が仕組んだ事。
日本人の観光客が多い空港近くのホテル―――宿泊先なら葵や颯汰達とも合流しやすい。
サーキット場からも近いここは、由唯や圭吾がレースの度に使っていた為、顔馴染みのスタッフもおり無理が通りやすい―――。海外でこのサプライズをするなら、ここしかないと思っていた。
―――せっちゃんを、少し戸惑わせてしまったけれど…。
切り分ける前に、ケーキの写真を撮る刹那に、葵が自慢げに鼻を鳴らした。
「これ、私がデザインしたのよ」
「ええっ、凪紗が？！」
『俺だって描いたのに―――葵に却下されたし』
「由唯くんも、ケーキのデザインしてくれてたの？」
「センスなさ過ぎたから、私が描き直したの」
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鈴桜(プロフ) - バイクレース勝った〜〜!!おめでとうです。続き頑張って下さい。待ってます。 (2021年10月5日 22時) (
レス) @page42 id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - シオンさん» コメント有難うございます、温かく見守って頂けると嬉しいです。 (2021年10月4日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 可愛いです。セツにチュウルやっての可愛さがあります。続き頑張って下さい (2021年10月4日 21時) (レス) @page33 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年9月16日 0時
