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ホテルは、二人分で部屋を取ってあるから。
「でも―――」

そう言う彩子と、由唯の顔を視線で往復させる刹那。

「いいんじゃない、たまには親子水入らずも」
『行っておいで―――せっちゃん』


由唯と葵が、刹那の肩を押す。

「私も、明日はチェックしていたお店で色々買い物する予定だし」

葵は、携帯画面にずっしりと並べられた買い物リストを刹那に見せた。
確かに日本より物価は安いが、高校生の買い物の量ではない……。
一人で出歩くなんて危なくない?と不安げな刹那に、叔父様と一緒だから大丈夫と自慢げに胸を張る。

『そうなのか?』訝しげに圭吾を睨む由唯の視線に、彼もまた「俺も今聞いたけど……」と頭を抱えている。

「俺と由唯も出かける予定だしな」

颯汰が由唯に向かってウインクを飛ばす。

「出かけるって、あんた達はどこ行くの?」

―――荷物持ちをさせるつもりだったのに。
口を尖らせる葵に、「女子とは一緒に行けない所…」と下手な口笛を吹く。

「はぁ?!」

眉を顰める葵と刹那に、由唯の頭痛も酷くなる―――

(頼むから、妙な誤解を招くような言い方は止めてくれ!)

『世界遺産の公園を散策するんだ。せっちゃんはともかく、林間学校の山道で息を切らすような葵は連れていけないって事』

由唯は慌てて訂正を加えた。


『俺達の事は気にしなくて良いから―――せっちゃんは綾子さんと楽しんでおいで。その代わり―――明後日は一日俺がせっちゃんの時間を予約するから♪』
「オマエの予約はさておき。明日の夕方にはここに迎えに来るから、一緒に空港まで見送ろう」

暫く申し訳なさそうに視線を向けていた刹那だが、それぞれに予定がある事を知ると、彩子の方に向き直った。

「―――それじゃ……」

ちらりと彩子の顔を見ると、満面の笑顔で両手を広げる母の姿が。

仕方がないな―――と口を尖らせていたが、「さぁ行きましょう!」と彩子に手を引かれるその顔には、照れくささの隠れた笑顔が浮かんでいた。
笑顔で彼女達を見送った後、葵から訝しげな視線を向けられたが―――由唯は気づかない振りを貫き通した。



private【由唯side】→←├



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鈴桜(プロフ) - バイクレース勝った〜〜!!おめでとうです。続き頑張って下さい。待ってます。 (2021年10月5日 22時) (レス) @page42 id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - シオンさん» コメント有難うございます、温かく見守って頂けると嬉しいです。 (2021年10月4日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 可愛いです。セツにチュウルやっての可愛さがあります。続き頑張って下さい (2021年10月4日 21時) (レス) @page33 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月16日 0時

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