フライング【由唯side】 ページ16
＊
その日は丁度、刹那が由唯の家に遊びに来ていて。
二人ソファーに並び、夕飯後ののんびり時間を過ごしていた……はずだった。
刹那の携帯電話に、着信が入る。相手は―――母親の彩子から。
“刹那ぁ〜久しぶりです！元気にしていましたか？ご飯はしっかり食べていますか？刹那のご飯が食べられなくて痩せてしまいそうです―――”
通話ボタンをタップした途端、滔々と彩子の言葉が続く。
「お母さん、落ち着いて―――どうしたん？突然」
母の言葉を軽く受け流す刹那。親子の会話を盗み聞きするのも悪いと思いすっとソファーを立ち、席をはずそうとした時、刹那の電話の向こうで爆弾が落とされる。
“そうだ！刹那…書留は、届きましたか？”
「書留？」
―――今日はまだ家に帰ってないからわからないけれど…
“きちんと受け取ってくださいね、パスポート”
「パスポート？」
聞き返す刹那に、由唯は足を止めて振り向いた。
まさか“あの事”をバラしてしまうのでは―――
由唯の悪い予感は見事的中。
“刹那の誕生日デートに、使いますから！きちんと受け取ってくださいね」
楽しみですね♪
彩子は、由唯が秘密にしていた計画を、刹那に呆気なくばらしてしまった。
「由唯くん―――パスポートって……」
大きく見開かれた緑の瞳が、由唯を見上げる。由唯は、片手で頭を抱えた。
(―――ああ、もう。色々規格外だな…あの人は)
頭を抱えたまま、ソファーに座る刹那の前にしゃがみ込む由唯。
こうなれば、もう伝えるしかない…そもそも、嫌だと言われればプラン変更な訳で―――だったら早めに伝えておくのも手ではないか。
『せっちゃんの誕生日にね――― 一緒に旅行…ちょっと遠出したいなって、計画してたんだ』
「―――遠出って、どこに……」
小首を傾げる刹那の緑の瞳を、じっと見つめる由唯は、にんまりと口元を綻ばせた。
『海外』
「へぇぇぇぇぇ！？！？」
遠すぎる……
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鈴桜(プロフ) - バイクレース勝った〜〜!!おめでとうです。続き頑張って下さい。待ってます。 (2021年10月5日 22時) (
レス) @page42 id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - シオンさん» コメント有難うございます、温かく見守って頂けると嬉しいです。 (2021年10月4日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 可愛いです。セツにチュウルやっての可愛さがあります。続き頑張って下さい (2021年10月4日 21時) (レス) @page33 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年9月16日 0時
