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役割は、当日までに企画係の指定した衣装の受け取りと、調理係から渡される買い出しメモ通りに前日の買い出しを行う―――ドライブ係。当日は調理係の刹那の調理を見ていよう。

……これなら、楽しめそうだ♪




数日後―――

じゃじゃん♪いい感じ―――

仮装喫茶(仮)のメイン衣装が出来たようだ。男女それぞれ執事とメイドをイメージしているようで、クラスメイトの誰かが袖を押すたびに歓声が上がる。
放課後。頼まれていた追加の材料買い出しから戻った由唯は、そっと荷物だけを置き、人だかりを避けるように窓際の席に座った。刹那は―――メニューの試作に調理室にいるという。

そっちの様子を見に行こう……立ち上がったその時
「七瀬も着てみて?」

クラスメイトが衣装を差し出してくる。

『嫌。俺は専従買い出し係』

拒否するが「制服の上からカマーベストと燕尾服を羽織るだけで良いから」と強引に押し付ける。どうやら教室に居る生徒は全員試着したらしい。

渋る由唯の耳元で、ある女子生徒が悪魔の取引を囁いた―――

「七瀬が着てくれるなら、刹那にメイド服試着させるけど――どう?」

―――……よし。ノッた

渡された衣装に袖を通す。一瞬教室がざわついたが、イイよもう、好きに笑って。
人に命令されるのは嫌いだし、不愛想だから執事なんて似合わないのは知ってるから。

(このジャラジャラとした感じは、バトラー(執事)と言うよりフットマン(従僕)だけどな…)

その手の誘惑に、勝てる気がしない…
一部の勘のいい女子生徒は、由唯が刹那を好きな事を知っている。こうして良い様に使われるのは癪に障るが、刹那のコスプレ(メイド服)が見られるなら―――甘んじて受けるよ。

クラスの一部があれこれと話し合いを始めたため、混乱(?)に乗じて 即行、脱いだ。




「おぉぉ…」

調理室での試作を終え、差し入れを持ってきた刹那達調理組が教室に戻る。
似合わないからと拒否を見せていた刹那を、 “約束通り” 彼女の友人が上手く誘導し、メイド服に着替えた調理組に教室から感嘆の声が上がった。

「調理組を裏方にしとくの、勿体なくない?!」
「可愛い過ぎだろ!」

ホント、可愛すぎ……

“―――せっちゃん、その恰好 家で以外禁止。”

由唯はアプリメッセージを 刹那に送り付けた。
ばっちり、携帯カメラに収めた事は―――秘密で。

(後で、刹那の母にも送ってやろっと♪)





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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年8月9日 9時

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