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『せっちゃん、俺が寝るまで付き合ってくれるの？』
「由唯くんが寝るまで、起きてられるか分からないけど―――」
『ふーん。先に寝たら、寝顔見ちゃうけど……』
「ええっ？！」
両頬を押さえて慌てる刹那は、たちまち自分のベッドに戻り、口元まで布団をかけてしまった。
「じゃぁ、ここでお話しする―――」
その、小動物のような動きに、笑みが治まらない。
―――あ〜もう、可愛すぎ！
あまり俺の自律を乱さないで ？
『―――っで、何の話をしてくれるの？』
笑いをこらえながら、由唯もまたベッドに横になり、刹那の方に身体を向けた。
修学旅行で先生に隠れて、就寝時間後も話をしてた時の様な、ワクワクが胸を躍らせる。
「それ―――何を聴いてるの？」
『あ―――これ…』
イアホンをつけたままだった事に気づく。
『――― 一緒に聴く？』
こくこくと、小さく頷く刹那に、片耳のワイアレスイアホンを渡す。
ツインルームの二つ並べられたベッドは、手を伸ばせば届く距離。
それが、なんだかくすぐったい―――。
由唯が聴いていたのはオルゴールミュージック。
α波が自律機能のバランスを整えてくれる効果がある。
「なんか、夜更かししていると―――悪い事している気持ちになるね」
早く寝なさい！って――せんせいに、怒られちゃいそ……。
くすくすと笑う刹那に、目を細める由唯。
『真面目だなぁ…せっちゃん。―――それじゃ俺は、毎日“悪い事”してる……』
「ふふっ！由唯くん夜型だもんね―――」
『―――……“悪い事”、しよっか？』
「ほへっ？！」
刹那の声が、裏返る。
―――冗談だよ。 大事にしたいから―――嫌われるようなことはしない……
α波の音楽のせいか、昼間のデモストレースで張り切り過ぎたせいか、
刹那の声を聴いていると安心して、眠気が襲う―――
残念…… 寝顔、見てやろーって 思ったのに………
瞼が重くて、空気が心地よくて
由唯はそのまま 眠りについた――――。
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作者名：しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2021年8月9日 9時
