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叔父と、二人きりとなった車内―――

考え込んで言葉を失う由唯に、圭吾は声をかけた。

「足掻くことは、カッコ悪い事じゃないぜ――由唯」
『―――……俺に、抗える力なんてない』


特別な才能も、何も。
ただ一人…大事な人を守れる力だって―――俺には…

悔しさに、握りしめる右手に―――ミサンガが揺れる
『―――……っぁ』


―――伝える(闘う)前から諦めて―――伝える(闘う)事を諦めるな。
  大事なものがあるなら、カッコ悪くたって、最後まで抗って見せろ

  言っただろう?“誰かの為”に闘うヤツは―――強いから


叔父の言葉の一つ一つが、由唯の胸に刺さる。
由唯は、右手のミサンガに決意と祈りを込めて口づけを落とした。


 ただ一人、信じてくれた君の為に―――

君を、離さないために…闘う。
  だから――――――



『―――そう言えば、ずっと聴きたかったんだ。』
  無敵のカリスマレーサー…… 貴方は “誰のため”に、闘っているんだ……?

―――何が貴方を 強く速く 走らせる―――?


「なんだ?『お前の為』だとでも、言って欲しかったか?」
『なっ?!―――言ってない!俺が生まれる前から 貴方は無敗のレーサーだったろう』

くすくすと笑う圭吾に、由唯はフイと視線を逸らせる。
バックミラーに映る薄茶色の髪を見つめ、圭吾は小さく笑みを零した。



――― オマエが辛いとき、守ってやることも、助けてやることもできる。
  だけど……

 大人達に 粉々に砕き壊されたオマエのアイデンティティ(由唯自身)を繋ぎ合わせられるのはオレ(大人)じゃない。それは多分―――オマエ自身と、オマエが大切にしている者にしかできない。


強くなれ―――強く在れ
  雨(逆境)の中でも自らを見失わず 走り抜ける その力に。

  気づいてみせろ―――Regenprinz(雨の王子)





化かし合い 【由唯side】→←├ 



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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年8月9日 9時

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