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『―――っは!』

慌てて上体を起こす由唯。
カーテンは閉まったままだが、遮光カーテンの隙間からは朝の青い光が射していた。

やけにリアルな感覚に、現実と夢の境目が分からなくなる。起きた今でも、思考に靄のかかった頭はふわふわと浮いているようだ。

『―――夢…だよな』

じゃなきゃ困る…
いや、夢でも―――困るか。俺の深層心理、アホ過ぎるだろ―――

頭痛の残る頭を抱え、ふらふらとキッチンまで出てくると、冷蔵庫の水を煽った。
冷たい水が頸部を冷やし―――“夢”に沸いた頭も幾分か冷やされる。

「みぅ―――」

チリン…と、鈴が鳴り、足元にセツが擦り寄ってきた。

『あぁ。ごめんセツ―――起こしてしまったな』

セツが頭を擦り寄らせるたび、首に着けた鈴が、チリンと音を立て、抱っこを強請る。
抱き上げて、すっかり定位置となった肩に乗せると、セツはふわふわの薄茶色の毛を首元に擦り寄らせて甘えた。

覗く、セツの緑の瞳に―――ふと、先程の夢が由唯の脳裏に過る。


『――――……ねぇ、セツ 今日はママに会いに行こうか』
「みゃぅ―――」






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作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年8月3日 23時

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