今日:32 hit、昨日:18 hit、合計:1,656 hit
小|中|大
└ ページ28
*
今は、1人じゃない。
『ありがとう、由唯くん』
大切な人が傍にいてくれる。
それだけで雷なんてへっちゃらになった感覚。
ウチは嬉しくて彼の胸板に擦り寄り体を預けた。
答えるように抱きしめる力が強まるも全然痛くない。優しく労わるように壊れ物を扱うように。
彼の優しさが見なくても分かるそれを独り占めできる優越感にウチはまた嬉しくなった。
この時間がいつまでも続けばいいのに。
なんて思ってしまう程、今の時間がとても幸福に感じてしまうウチがいた。
翌朝
『───え、雷なんて鳴ってない?』
友人に昨夜の雷は大丈夫だったかを訊くと、そんなものは無かったと返ってきた。
あんなに大きかった雷の中でも爆睡していた友人はやはり強者かと思ったが、その時間帯に起きていたクラスメイトの数名まで雷は見ても聞いてもいないという。
じゃあ、あれはなんだったのか……
ウチと由唯くんは、場所は違うにしろ 同じ恐怖に身体を震わせていた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゃっぽ、kohaku x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2021年8月3日 23時