六十九 ページ8
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「お邪魔しました」
「ヅラ、ありがとう。お陰ですっきりした」
「良かった。本番まであと数か月。共に頑張ろう」
「おう！」
Aと拳を合わせ、家を出る。
女は桂の姿が見えなくなるまで、笑顔で手を振っていた。
とぼとぼと帰路を辿る重い足。
(結局、良い人止まりか)
Aが桂に向ける笑顔はきっと本物で、悩んだ時に相談してくれるのも信頼しているが故だ。
しかし、そこには恋愛的意味の好きと言う感情はない。
あくまでも、友達として、好きなのだ。
「よう、負け戦の主人公。その様子だとやっぱり負けたまんまなんだな」
不意に現れる眼帯のクラスメート。
楽しそうに笑い、桂を見ていた。
「誰が負け戦だ。俺は戦に参加した覚えなどない」
無視して通りすがろうとすると、肩を掴まれる。
「坂本の野郎が動き出したぞ」
高杉の言葉に動きが止まる。
振り返り、顔を見れば、高杉は張り詰めたような顔をしていた。
「俺とAが一緒に歩いてるだけで声を掛けてきやがった。お前も気をつけた方がいい」
「お前はあいつの元恋人だからだろ。俺には関係ない」
「馬鹿か。お前がAに惚れてんのはA以外皆知ってんだよ。幼馴染という立場に居て、坂本が見逃す訳ねえだろ」
高杉は桂に警告に来ていたのだ。
元恋人だったからこそ、Aを思う気持ちが強いのは見てとれた。
「今、坂本がAに手を出せばあいつは目指している夢や未来がぶち壊れる可能性がある。あいつは恋愛と勉強や友情の両方うまくやれる器用なやつじゃねえ。お前だって、それはよくわかってんだろ」
高杉の言葉が胸に突き刺さる。
過去に高杉と付き合っていた時期のAは、いかに高杉が良い男かのメッセージを桂に頻繁に送りつけてきていた。
そして、坂本への恋心がわかって直後、優秀だった成績はがた落ちするほどだった。
そんなAの姿を何度も見、それに手を差し出していた。
「Aが変わらず乗り物の話ばかりして、楽しそうにしてんのが嬉しかった。そうやって普通の女と変わった趣味の事を曝け出せるのは、お前がいるからだ」
高杉は桂に鋭い瞳を向ける。
「俺が好きだったAのまま、あいつの好きな道に進んでほしいと思ってる。
頼む。あいつを支えてやってくれ」
真っ直ぐな瞳に、桂は首を横に振る。
「それは高杉の理想に過ぎん。あいつの好きな道はきっとそうじゃない。押し付けるな」
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るう - 坂本ざああああああああん”〜！ 最高！！😭 (2022年12月25日 20時) (
レス) @page11 id: ee892c350f (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - ぼむぼんさん» わー！ありがとうございます！かわらず楽しくかいていきます！ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
ぼむぼん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！無理せず頑張ってくださいね！！ (2021年9月16日 0時) (レス) id: cd33b2bf6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2021年9月15日 23時
