七十八.境界線編 ページ17
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「あら、Aちゃん。いらっしゃい」
「おばあちゃん、こんにちは！今日から少しだけお世話になります」
「嬉しいわあ。ささ、上がって上がって」
嬉しい歓迎に、Aの頬は緩む。
足を踏み入れれば、部屋の奥から幼馴染の顔。
「今日からよろしく」
「…ったく騒がしくなるな」
そう言いながらも、少し嬉しそうだ。
相変わらず分かりやすい男だった。
桂の部屋に入れば、狭い部屋に並ぶようにして布団が敷いてある。
思わず、互いに顔を見合わせる。
「ごめんねぇ、狭いでしょう」
そう言いながら、桂の祖母は菓子盆を持っている。
にこにこしながら嬉しそうに。
「あの、えっとぉ…」
親切心に気が引けて、もごもごと言いたい言葉が詰まる。
そんな様子を彼女は不思議そうに見ていて。
(嗚呼、まだ子供の頃の私達を見ている時の感覚なんだ)
優しい瞳をしている彼女に、嫌ですなんて言えなかった。
それに、相手は長年一緒にしてきた桂なのだ。
他の男に比べ、羞恥なんてものは微塵もなかった。
ちらりと桂を見れば、同様の様子のようで、少し気まずそうに祖母を見ているだけ。
「貴方達今でも仲良しだから、おばあちゃん羨ましいわあ」
花のような笑顔に、まあいっかと気持ちにされてしまう。
わざとらしく、桂の肩を組んで、
「超仲良しだよね！！ね！ヅラ！」
歯を見せて笑えば、
「…ヅラと呼ぶなと何度も言ったろう」
迷惑そうな顔をして俯いた。
「じゃ、勉強頑張ってね！」
扉が閉まり、部屋に二人取り残される。
桂は大きく溜息をついて、その場に座り込んだ。
「すまん、A。うちの祖母が」
「いーのいーの！おばあちゃんの嬉しそうなとこ見れたら、私も嬉しいし」
話しながら、桂の隣に座る。
目の前の菓子盆に手を出し、頬張れば桂はくすりと笑った。
菓子を食べただけで笑われ、少しむっとしていると桂は悪い悪いと平謝りして。
「昔こうやって駄菓子を食べていたことを思い出しただけだ。こうやって並んでな」
そう言って、小さなチョコレートをつまむ。
それを美味そうに舐めている。
その姿にAもつい笑みが溢れる。
「そのアルファベットのチョコ、昔から好きだよね。本当お互い成長してないや」
「Aこそ、変わらずサラダ味の煎餅好きだな」
お互いにお互いの姿を見て、変わってないと笑い合った。
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るう - 坂本ざああああああああん”〜！ 最高！！😭 (2022年12月25日 20時) (
レス) @page11 id: ee892c350f (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - ぼむぼんさん» わー！ありがとうございます！かわらず楽しくかいていきます！ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
ぼむぼん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！無理せず頑張ってくださいね！！ (2021年9月16日 0時) (レス) id: cd33b2bf6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2021年9月15日 23時
