七十弐 ページ11
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『誰かこのイベントに一緒に行きませんか』
この文字に、勉強をしていた集中力は一気に吹き飛んだ。
勉強のひと休みに、ふと携帯電話を触っていた時。
タイムラインに並ぶ胸高鳴る文字の羅列。
思わず画面を滑らせる指を止めた。
『ちょうど僕も一緒に行きます。良かったらどうですか』
『行きたかったんですよね〜そのイベント。楽しんできてくださいね』
界隈でも人気者な彼には、既に何件か返信がきているようだった。
その中に一つ。
Aをもやもやとさせるものが一つ。
『よかったら私と一緒に行きませんか？ご一緒できたらとても嬉しいです！』
船と並ぶ迷彩柄の服を着た女のアイコン。
丈が短すぎるくらいのショートパンツからは白く長い足が覗いている。
(うわ。あざと)
プロフィールを見てみると、趣味でコスプレをやっている自称ミリタリーオタク。
どうやらイベントが行われる自衛隊基地よりも、コミックマーケットの会場の方が出現率が高いらしい。
顔は小さく整っていて、スタイルはいい。
おまけに男性オタク受けする趣味と、慣れたコミュニケーション。
つまり、
「超苦手なんだけど、この人」
同性から見れば嫌われるタイプの女だった。
そんなひくて数多な状況な女がわざわざ坂本にコメントをしている。
狙っているとしか思えなかった。
確かに、坂本のSNSは他のファンとは少し違っていた。
イベントで撮った船の写真がメインではあるが、趣味であるバイクや愛車、好きな酒の写真など自分自身の身の回りの出来事を見せていた。
それに自身が公務員であり、教師であるせいか、自分自身の身元に繋がるようなことは一切匂わせず、オタク全開の文章を載せたり不適切な発言をしたりすることは一切なかった。
ただただ、自分自身の人生を楽しんでいるところを共有するためだけのツールだったのだ。
しかし、ミステリアスな部分は多いが唯一分かる点。
車やバイク。
瓶に入った酒。それを入れる綺麗な柄の硝子のグラス。
所謂、懐が暖かいのではないかという仮説である。
それ故にこの女は近づいてきているのだ。
(この人と、並んで歩いているなんて)
想像すると、目の前にもやもやと黒い霧がかかり、
『ちょうど空いているので、よかったらまたどうですか』
とすぐに送ってしまっていた。
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るう - 坂本ざああああああああん”〜！ 最高！！😭 (2022年12月25日 20時) (
レス) @page11 id: ee892c350f (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - ぼむぼんさん» わー！ありがとうございます！かわらず楽しくかいていきます！ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
ぼむぼん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！無理せず頑張ってくださいね！！ (2021年9月16日 0時) (レス) id: cd33b2bf6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2021年9月15日 23時
