(終)元カレ(工藤新一)は私をフっていなくなった

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その日はバイト帰りだった。

夕飯の材料を買い足すために近くのスーパーに寄り道をする
博士は何か用事があるらしく今日は1人だ

今朝ニュースで見たが、ここ数ヶ月で殺人による死亡者数が莫大に増えているようだ

かという米花町周辺の治安も幾分か悪化しているようにも見える


警察側は身の安全を呼びかけてはいるが詳しい情報は公開しておらず、国民からの非難の声が殺到しているようだった


「あ、」

A「、あ」

最後の1個の本日特売の商品に手を伸ばすが、誰かの手と重なり反射で手を引っ込める


蘭「A先輩こんにちは
偶然ですね」

A「あー蘭ちゃん久しぶり
ごめんね考え事してて気づかなかった
どうぞ、譲ります」


それだけ言って急ぎ足で別のコーナーに移動した


気づくとそこはお酒のコーナーでカゴを持ち替え小さく息を吐いた

あの子と関わると自分の悪い所が出てしまいそうで咄嗟に避けてしまった
という彼女も私と顔を合わせるといつも肩を強ばらせて距離をとる。

お互いの間にはいつも1人の男がチラついていた。

周りには聞こえないぐらいのため息をもう一度吐いてまだ軽い買い物かごを持ち直したとき、目の前に手が伸びてきてビクッと体が震えた。

顔を上げるとサラサラヘアの眼鏡をかけた男性がニッコリとこちらを見ていた。

？｢すみません。驚かすつもりはなかったのですが、
そばに"ずっと"目をつけていたものがあったのでつい手を伸ばしてしまいました。｣

どうやら目の前の商品を取りたかったみたい

A｢こ、こちらこそすみません｣

男性とは異様に距離が近くて細身な身体なはずなのに圧のあるオーラがあってすぐさま逃げる。

今日は無理してまで1人でスーパーに来なければ良かった。

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