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「ヌナ〜!!」
「Aヌナ〜!!どこですか!!」
なんて、早くAヌナに会いたい一心で、僕らは他の練習生たちやスタッフさんの目なんて気にもせずにヌナを探して走り回った。
でもどこにもヌナの姿はなくて、
もしかして僕らの入れ違いになっちゃったのかな、なんて不安になっていたところだった。
ヌナとすごく仲のいい事務所のスタッフさんが通ったのを見て、急いで声をかける。
「あの、!ヌナ、Aヌナ見てませんか…!!」
息を切らしながら聞いたスングァニヒョンに、スタッフヌナは目を見開く。
あぁ、もしかして、やっぱりすれ違っちゃったのかな、なら早く宿舎に戻らないと、早く戻って、ヌナに会わないと、
「…あなたたち、聞いてないの?
…Aなら昨日付で、退所したわよ、」
ほら、早くヌナの待つ宿舎に帰って、みんなでお祝いをしよう。
ケーキもチキンも買って、今日はジュースだって飲んじゃおう、デビューの夢を叶えて、お祝いを、ヌナと一緒に、
「…は、?」
「な、今日くらいは冗談はやめてくださいよ、まったく!」
そう言って笑うスンチョリヒョンの顔は、どんなだったんだろう、
おかしそうに笑っていたのかな。
それとも、その笑みは、引き攣っていたのだろうか。
「…本当よ、疑うなら代表に聞いてみなさい」
僕らを憐れむようなスタッフヌナの瞳に、急に呼吸がし辛くなる。
違う、こんなはずじゃなかったのに。
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時