異変 ページ41
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side JEONGHAN
なにかがおかしい。
そう思ったのは確か、10日ほど前のことだった。
最初に違和感を感じたのはあの夜。
クプスが遅くに帰ってきた夜のこと。
友人と会って食事をしたから遅くなった、そういう割には、酔ってもいないようだしいつもならもっと上機嫌に帰ってくるはずなのに。
その姿はなんだかなにかを隠しているようで、緊張しているような強張った表情に言葉にはせずとも何かあったんだろうなと静かに悟った。
後日、何度か探ろうとしたことはあったが、クプスの考え込むような瞳に踏み切ることができずに、あっちからアクションがあるのを待っていた。
…けど、
機会を伺っている間に今度はもう1人の同い年であるジョシュアの様子がおかしくなった。
本人はきっといつも通りに過ごしているつもりなのだろうが、ふとした瞬間に違和感を感じることが何度かあった。
立ったままでどこかを見つめていたり、弟たちが盛り上がっている中ひとり静観していたり、ぼーっとして話を聞いていなかったり。
どうもおかしい。
気になって同じ階に住んでいるミンギュに聞いてみると、
「そういえば、この前朝まで帰ってこなかった日があったような…
次の日スケジュールもなかったし、誰かと遊んでるのかなぁと思ってあんまり気にしてなかったけど、
ヒョン、なにかあったの?」
「…いや、なにも。
ありがとミンギュ」
クプスは夜遅くに、シュアは朝まで帰ってこなかった。
そしてそのあとからどうも様子がおかしい。
変に本人に尋ねて警戒されても厄介だから、なんとか外堀から埋めていけないかと思っていた。
…俺もしばらく7階に居座ってみるか?
2人が同じタイミングで様子がおかしくなるなんて、ただの偶然なのか、それとも…
なんて考え込めば終わりはなくて、一体何が2人をそうさせているのか、その原因が気になってしかたなかった。
でも偶然か、必然か。
俺はその"原因"に、思いがけずに出会うことになる。
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時