興味 ページ31
.
「ヌナ〜!ヌナってここに来る前は何してたの?」
「…普通に生きてました」
「ヌナって誰か好きなアイドルとかいないの?」
「…特には」
「じゃあ俺とかどう?自分で言うのもなんだけどおれ結構なんでもできると思うんだけど…
ってヌナ!?きいてる!?」
俺の話を最後まで聞くこともなく、パソコンを持ってマネヒョンのところにいってしまうヌナ。
全く靡かない。つまんない。
ヌナがマネージャーとして俺たちについてから5日が経った。その間ずっと隙を見ては話しかけたり、マネヒョンと会話しているところに割り込んだり、仕事しているヌナを観察してみたらしたけど、一向に収穫はない。
不貞腐れながらソファにぼすっ、と音を立てて座ると、横でジェミンが「埃たつでしょ!」と小言を言う。
今俺はいらいらしてるんだからやめてくんない?そう思いながら無視していると、
「…なんでそんなにあの人のこと気にしてんの」
なんて、いつかロンジュンからも聞かれた質問がジェミンから投げかけられた。
「…最初はただの好奇心。
だったんだけどさ〜、なんか気になっちゃって、」
仮面を付けたみたいに、冷たい表情を崩さないあの人のことを、いつの間にか目で追っていた。
自分のことを見てほしい、みんなには見せない表情を、俺にだけ見せてほしい、なんて。
「ふーん、珍しいね」
自分で聞いてきた割には興味のなさそうなジェミンに、一瞬どこかにいったはずのいらいらがまたぶり返してくる。
「お前から聞いといてそれかよ、」
「なんか俺も気になってきた」
「…は?」
なんの前触れもなく、ジェミンから発せられたその言葉に、なんとも情けない声が漏れる。
「俺もあの人のこと気になってきた。
ちょっかい出してこよーっと」
なんて言って、ソファから立ち上がってぬなのもとへ歩いていくジェミンに、しばらく固まったあと
「ちょ、ジェミナ…!?」
急いでそのあとを追いかけた。
1357人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時