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最悪だ。ゲンコツくらって痛いしかっこ悪いし、あの女はすまし顔だし。
あの女、俺に喧嘩売ったこと後悔させてやる!!!!
「あっはっは!!!まじかよ!!やられたなヘチャン」
「うるせー、」
その綺麗な顔に似合わず豪快に笑うロンジュンはどこか他人事だと思ってるらしい。こいつにあの女の弱点聞きにきた俺が馬鹿だったわ。
「そういえば、おれ面白い話聞いたけど」
「…どうでもいいことだったら許さないからな」
「じゃあ言わね」
「嘘嘘ごめんロンジュンさま!」
「なんでも、あの人スカウトでここに入ったらしいんだ。」
「は、?スカウト?ただの職員なのに?」
「そうなんだよ。噂では練習生としてスカウトしたらしいけど、それを嫌がって、とりあえず裏方でもなんでもいいからって無理矢理いれたらしい。
んで、結局すげえ優秀でそのままスタッフの方に行っちゃったらしいけど」
練習生?あの女が?
…確かにビジュアルもスタイルもいいけど、練習生にしてはだいぶ年上のような…
他で練習生でもやってたのか?
ならあの歳でも頷けるかも、なんて1人で考え始めれば止まらなくて。
「なんでそんな気にしてんの?ただのスタッフじゃん」
なんて俺のことを怪訝な顔で見つめるロンジュンに、
「…さぁね、俺もわかんね」
なんて曖昧な答えを返した。
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時