きみを探していた ページ25
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side JOSHUA
久しぶりのオフ。
特に何も予定はなかったけど、ずっと家にいるのもなんだか勿体無い気がして、昼過ぎから街へ出かけた。
キャップにマスク姿で、そんなに人の多いところに出歩けるわけじゃなかったけど、それでもいい気分転換にはなった。
なんだか歩いているうちにどんどんと気分が良くなって、デパートに寄って新しい洋服でも買おうかといくつかブランドを回った。
でもあまり気にいるものはなくて、まぁウィンドウショッピングでも十分楽しめた、なんで1人納得していた時だった。
普段入らないブランドに何故か目を惹かれて中に入った。
豪華すぎないけど品のあるデザインで、自分には少し大人すぎると思っていたけどもうそうでもないかもしれない。
落ち着きがあって素敵なものばかりで目移りしながら見ていると、ふとレディースの服が目に入った。
それは白いカーディガン。
なんとなく、Aに似合いそうだなんて思って手に取って見ようとしたその時だった。
「っ、あ、すみません…」
僕とは反対側からやってきた女性も同じカーディガンに手を伸ばしていた。
気付かずに手に取ってしまったハンガーを慌てて戻そうとしたその時、
「…え、A、…？」
そのひとに釘付けになる。
僕の目の前に立っていたのは、紛れもなく、僕がたった今想像した人物だった。
「…ジスくん？」
僕の名前を呼ぶ声は、あの時と少しも変わっていなかった。
ただAも大人になっていた。あどけなかった顔立ちはすっかり美しい女性になっている。
「本当に、A、なの…？」
驚きのあまり言葉がうまく出てこない。
絞り出した声に、Aは優しく微笑んで見せた。
「…うん、久しぶりだね、ジスくん」
その微笑みと、僕を呼ぶその声に、胸の奥から気持ちが溢れてきて、思わずAの手を取る。
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作者名：ゆいか
| 作成日時：2023年11月26日 23時
