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…別に、ありのままあったことを言えばいい。たまたま道でAに会ったって。
でもそこまで言って仕舞えばきっと質問攻めになるのは免れないだろう。
今まで何をしていたのか、なんでいなくなったのか。
そんなのは俺に聞かれてもわからない。
…だって俺も聞いてないから。
じゃあ何をしてたんだ!なんて言われてしまえば、全てを隠すことなんて出来なさそうな気がして。
俺が選んだのは隠すことだった。
いままでなんだかんだ理由を並べてきたけど、きっと本心は、まだ俺だけのAでいてほしかった。
…それだけだった。
ベッドに倒れ込んで、目を閉じる。
Aを俺だけのものにしたい、なんて自分勝手な独占欲と、弟たちや同い年の2人に対する罪悪感で頭の中がぐちゃぐちゃだった。
「ぁ"〜っ、
会いたい、A…」
さっきまで一緒にいたのに、もうそう思ってしまうのは禁断症状か何かなのだろうか。
着ていた服を脱ぐと、Aの部屋の香りが残っている気がした。
「ヒョン、お待たせ!なんか謎に一軒目にツナ売ってなくてさ!ありえなくない!?ハシゴさせられたんだけど…」
「…うちのリーダーは嘘が下手だな、」
「え?ヒョンなんか言った?」
「いや、なにも。てか早く作ってよ、お腹すいた」
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時