午前1時 ページ23
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「クプス、遅かったじゃん」
時計の針が午前1時を少し過ぎた頃、宿舎に帰るとリビングにはジョンハンがいた。
「なんでいんの、」
ジョンハンの部屋は上の階だ。しかもこんな時間にリビングにいるなんて、想像もしていなかった。
思わず低い声が出てしまった。
ポーカーフェイス、ポーカーフェイス、と心の中で必死に唱える。
「なんだよ、いたら悪いのかよ〜
ミンギュが夜食作るって言うから付き合ってやろうと思って」
なんて椅子にもたれながら言うジョンハン。
「…そのミンギュは?」
「なんか材料足りなかったらしくてコンビニに走ってる」
「あっそ、」
「で?そっちは?誰にも連絡よこさずこんな時間に帰るなんて珍しいじゃん」
…あの話の流れのまま部屋に戻ろうと思ったけど、そうはいかないらしい。
「たまたま知り合いにあったから飯食ってたら遅くなった」
「ふーん、地元の知り合い?」
「まぁ、そんなとこ」
と適当に答えてリビングを去る。
あいつは下手に勘がいいし、なんだか見透かされている気分になる。
自分の部屋に入ってドアを閉めてから、ようやく安心して息を吸えた。
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時