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「…グァナ、スングァナ、!おい起きろ〜!」
「ん"、…うるさいな、」
「うるさいってお前ヒョンに向かって!もうマネヒョン来てるからさっさと支度しろ。」
霞んだ視界の中でぷりぷりと怒るホシヒョンを見て、嫌な予感がした。
ヌナは一体どこに行ったんだ、さっきまで目の前にあった温もりはさっぱり消えてしまっている。
「…ねぇ、ヒョン、
…ヌナは?」
言ってよ。ヌナはいるよね?だってさっき抱きしめてもらったんだ。
ヌナのいない世界が悪い夢で、ヌナのいる世界が、幸せな現実でしょ?
「…お前寝ぼけてんのか、
ヌナのことはもう忘れる、それで話がついただろ」
ふっと視線を下したホシヒョンの瞳は、髪の毛の影に隠れて光を映さない。
あぁ、神様。
夢だと言ってください。
こちらを見ることもなく部屋から出ていったホシヒョンの背中を見送って、もう一度ベッドにダイブすると、僕は1人天井を眺めた。
「…ヌナの嘘つき、」
ずっとそばに居るって、言ったのに。
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作者名:ゆいか | 作成日時:2023年11月26日 23時