ホシと温もり ページ5
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ノック音がして、蹲るように被っていた布団から顔を出す。
ベッドに沈みかけていた身体を起こして足を前に運び、ドアを開いた。
そこにはAが立っていて、一歩後ろにはジョンハニヒョンがいた。
そこで、とてつもなく、怖くなった。
「いま、すこしいい？」
Aの口からこぼれたその言葉に、うまく吸い込めなかった空気が喉の奥でひゅ、と鳴った気がした。
Aが思い詰めていることは、なんとなくわかっていた。
でもなにもしなかったのは…
…できなかったのは、Aの力になれない事が怖かったからだ。
1番に頼ってほしい。なんで大口を叩いたくせに、Aの悩みを解決してあげられなかったら、Aの助けになってあげられなかったら。
それでもし、Aに失望されたら、
そう思うと、体が氷漬けになったみたいに、固まって動けなくなった。
きっとAは、俺じゃなくヒョンに頼ったんだろう。そしてヒョンは見事にAの悩みを解決して見せたんだろう。もともと頭も良くて器用なヒョンだ。俺よりずっと頼りになる。
頼りにもならない、臆病者の俺なんてもういらないって、まるで死刑宣告みたいに、そう言いにきたんだろう。
「あのね、スニョン、」
ヒョンとAにバレないように、小さく深呼吸をした。
「…抱きしめて、ほしい」
「……へ、？」
Aの口から出たのは、あまりにも想像と違う言葉で、思わず素っ頓狂な声が出る。
「は、…え、？」
Aの口から出てきた言葉は、俺が予想したものとは180度違ったもので、思わず困惑してしまう。
「ほら、ホシはやく」
なんてAの後ろに佇むジョンハニヒョンが急かしてきて、理解も追いつかないままゆっくりとAに歩み寄って、その細い体を抱きしめた。
俺よりもずっと、ほそくて、ちいさいAの身体。
ゆっくりと俺の背中にAの腕が回る。
少ししてすすり泣く声が聞こえて、狼狽えそうになる。
「A、？」
そう声をかければ、背中に回っていた腕に力がこもった。
状況が掴めずにジョンハニヒョンを見やると、ヒョンはただ見守るように、優しい眼差しをこちらに向けていた。
狼狽えて宙を彷徨っていた手をゆっくりとAの背中に回す。
撫で下ろすようにさすって、少しでもAの不安や、辛い気持ちがなくなりますようにと祈った。
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かほ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！お話大好きです！！ (2月3日 13時) (
レス) @page34 id: 6a44dd08ac (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - 一気読みしちゃいました…！つづきがとても気になります！とてもいいお話です！更新楽しみにお待ちしています！ (12月9日 11時) (レス) @page34 id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*☻-☻*) (12月8日 5時) (レス) @page34 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 最初からずっーとみちゃいました！！更新楽しみにしてます！ (8月20日 0時) (レス) id: e49ceb5b60 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - ルネさん» コメントありがとうございます！一気に読んでいただいたんですね！嬉しいお言葉ばかりで…ありがとうございます🥲応援に応えられるように頑張りますので、また是非見にきてやってください💌 (5月14日 23時) (レス) id: ebc0952f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆいか
| 作成日時：2022年11月24日 22時
