た→只今ストーカー警報中 1 ページ10
ー家庭科室ー
花畑「おぉー!さすが僕の衣装!姫の良さを引き出しているではないか〜!」
大袈裟なジェスチャーで笑顔を振り撒いている花畑。
姫の衣装担当である彼はとにかく、自分の作った服が大好き人間。
中島「うん。2人共可愛い」
岡本「よく似合ってるよ」
中島と岡本の視線の先にはドレスアップしている山田と知念がいた。
何故、2人がドレスアップしているのか。
学園の姫に任命された2人の披露会が2週間後に迫っているから。
その披露会で着る衣装の試着を本日行っていた。
とは言え、本来ならもっと早くに試着する予定だったのだが山田が今日まで逃げていた。
ある日、生徒会会長である薮から。
薮「この俺から逃げられるとでも思っているのか?逃げるというのなら、俺達生徒会役員全員で押さえ付けて着替えてもらうけど」
なんて最高の笑顔で言われて山田は観念した。
フェスティバルサークルのメンバーはイベント毎に駆り出される。
普段、姫の衣装は女子の学生服を中心に着ることが多い。
だが、今回の披露会は特別なのでドレスアップすることになっていた。
本日の衣装はフィッシュテールワンピースでレースがふんだんに使われ、スカートの裾には花の刺繍が細かくされていた。
山田は軽くウェーブのかかったロングヘアのハーフアップ。
一方知念はさらさらロングヘアのウィッグとふわふわリボン。
因みに山田が赤、知念はピンクがベースとなっている。
知念「スカートがふわふわする。動く度にスカートが揺れるよ」
わざと体を動かし、その度にスカートの裾が揺れるのを楽しんでいた。
花畑「よくぞ気付いてくれた!歩く度にフワッと揺れるスカート!男のロマンだよな!」
両手を上げて妄想に浸る花畑の横で中島と岡本はお互い顔を見合わせた。
岡本「そうなの?」
中島「さあ?」
暫く、家庭科室は。
テンションの高い花畑。
自分の衣装を面白がっている知念。
それを微笑ましく見ている中島と岡本で盛り上がっていた。
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作者名:hina | 作成日時:2018年3月19日 15時