こ→困ったことになったお茶会 1 ページ34
ー生徒会室ー
明日から夏休み宣言という名の終業式が終了した直後の事だった。
高木「大変な事が起きた!」
生徒会室の扉を勢いよく開けて入ってくるとすぐに薮と伊野尾の視線が有岡に向けられた。
伊野尾「大ちゃん何したのさ」
薮「正直に言え」
有岡「ちょっと待て。問題事=俺にするんじゃねぇ。まだ何もやってねぇわ」
高木(まだ…って)
薮「それでどうした」
高木「スイーツ部の2.3年メンバーが食中毒で今日休みだ。今、1年部員から聞いた」
有岡「食中毒!?賞味期限の切れた牛乳でも飲んだか?」
伊野尾「それをするのは大ちゃんだけだよ〜」
有岡(何で知ってる!)
薮「それで。お茶会のお菓子はどうした?」
高木「勿論、作られていない」
薮「1年では作れないのか?」
高木「材料とレシピがあるから作れないこともないがお茶会に出すやつとなると自信がないらしい」
伊野尾「まあ、お茶会に出すお菓子だからねぇ。それなりのプレッシャーはあるよねぇ」
薮「大貴。被服室にいる光をパーティールームに連れて来い。いいか。ホールじゃないぞ。ルームだからな」
有岡「お茶会はそこでしかしないだろ。間違わねぇって」
伊野尾「過去に前科がある」
有岡「さっきからいちいち突っ込むな!」
学園にはイベントを開催するために造られた建物がある。
その中の1つがパーティールーム。
ルームと言ってもちょっとした小ホール並みの広さで隣の調理場と繋がっている。
そのため、食べ物を扱った小さなイベントはいつもここで行なわれる。
お茶会もその1つだ。
薮「そういう訳で光をリーダーとしてスイーツ部1年メンバーはお菓子を作ってくれ。涼介。お前も手伝いを頼む」
有岡「はい!は〜い!俺も手伝う!」
目をキラキラさせて嬉しそうに手を上げた。
薮「却下」
バッサリ切り捨てられ、有岡は隅の方でいじけた。
薮「ファシリテータの2人はそのまま進行の確認。他の役員は会場のセッティングだ。よし!解散」
全員がそれぞれの場所に去っていく中、有岡は未だにいじけている。
有岡「お菓子作るの……手伝いたかった…」
高木「馬鹿か。お前がお菓子作りに行ったらつまみ食いで全部なくなるわ」
有岡「………つまみ食いなんて考えてないさ」
高木「一瞬。間があったぞ」
薮「大貴。あと10秒以内で動かないと明日からの夏休み無くなるぞ。1…2…」
有岡「げっ」
慌てて起き上がりお茶会のセッティング組に合流した。
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作者名:hina | 作成日時:2018年3月19日 15時