すくーるでいず・すとーりー (ページ28)

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伊野尾の爆弾発言に少し離れている3人組が寄り添って話し合いを始めた。

知念「まさかの手料理を食べさせたいだって？」

有岡「まさか！彼女！？」

伊野尾「いのちゃん先輩彼女いたのか？」

有岡「そんな事聞いたことない」

山田「じゃあ家族？」

知念「いのちゃん先輩は家族の為に手料理をわざわざ人に習ってまで作らないと思う」

有岡「それなら友達？」

知念「いのちゃん先輩友達いなさそう」

山田「まさか。会長！？」

有知「「それは絶対にない！」」

伊野尾「あのさ～。全部聞こえてるんだけど」

八乙女「丸聞こえだぞ」

伊野尾「何気に酷いことも言われてるし。って言うか、俺にも友達ぐらい居るし」

そんなこんなしている内に味噌汁が出来上がった。

八乙女「よし。もう良いだろ」

有岡「待ってました」

目をキラキラと輝かせながら、鍋の中を覗きこむ。

手の中にはいつの間にかお握りが。

八乙女(いつの間に…)

山田(何処で調達したんだ)

知念(食べ物絡むと頭働くよね)

八乙女が味噌汁をお椀に入れると3人の前に置いた。

有山知「「頂きます」」

有岡「上手い！」

山田「さすが副会長」

知念「美味しい」

八乙女「サンキュー」

美味しそうに食べる後輩を目を綻ばせながら見ていた八乙女が隣の伊野尾に視線を向ける。

伊野尾は自分の作った味噌汁をお椀によそい、それを暫く箸でグルグルとかき混ぜていた。

その不思議な行動に4人は注目する。

八乙女「何してるんだ？」

伊野尾「冷ましてる」

知念「いのちゃん先輩猫舌？」

伊野尾「うーん。どうだろ」

山田「何？その曖昧さは」

有岡「味噌汁は温かいほうが美味しいぞ」

伊野尾「まあ。そうなんだけど」

会話をしている間も伊野尾はかき混ぜている。

暫くして「こんなものかな？」と箸を止めると鞄からタッパが出てきた。

その中には冷飯。

八乙女「冷えたご飯なんて珍しいな」

普段から「ご飯は温かくないとご飯じゃない！」と断言している伊野尾からは奇っ怪な行動だった。