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ーミーティングルームー
昼食時間。
生徒会役員5人で昼食をしながら、打ち合わせをすることになった。
それぞれがお弁当を広げる。
そこに人際目立つ薮の弁当。
いや。
どちらかと言えばコース料理。
お皿に盛り付けて1品ずつ出てくるか入れ物に入れて1度に出てくるかの違い。
有岡「会長の弁当。すげ〜」
見たことのない豪華なお弁当に有岡が感嘆の声を出す。
3年組は時々、一緒にお昼を食べているので薮のお弁当には見慣れていた。
伊野尾「俺も負けてないよ〜」
二段重ねのお弁当の蓋を取る。
出てきたのはご存知白米。
上段のお弁当を取ると下段に入っていたのはこれまた白米。
有岡「ご飯しかないじゃん」
高木「伊野尾、おかず和え物だけか?」
よく見ると隅の方にほうれん草の和え物が申し訳なさそうに入っている。
伊野尾「違うよ〜。おかずはこれ」
と和え物が入っているご飯を指差す。
八乙女「えっ?ご飯がおかず?」
薮「ふむ。ご飯をおかずにしてご飯を食べるか」
伊野尾「そうだよ〜」
有岡「それって結局、ご飯じゃん」
伊野尾「違う!こっちが主食!こっちがおかず!」
高木「どう違うんだ」
高木の質問に伊野尾がにんまりと笑う。
伊野尾「白米の種類が違う!おかずの白米をよく噛むと口の中にお米の甘さが広がる。そこに主食の白米を食べるとそれが合わさって究極のハーモニーが生まれるのだよ!」
ご飯の素晴らしさを力説しながら想像を膨らます。
高八有((さっぱりわからない…))
薮「はっはっは。面白い食べ方だ」
お弁当も残り半分となった頃、ずっと薮のお弁当を気にしていた有岡の視線に気付いた。
薮「何か食べたいのか?」
途端に目がキラキラと光る。
有岡「肉!!」
薮「あぁ。これか」
真ん中に陣取っているステーキに目をやるとお弁当を持ち上げ、有岡に差し出した。
これまた先程よりもキラキラと目を輝かせると「やった!」と勢いよく立ち上がった。
有岡が体を前に倒してお弁当の中の肉目掛けて、箸を差し出した。
瞬間。
ごとん。
有岡の体に何かがぶつかり倒れた音がした。
音のした方に視線を向けると。
高木の水筒が倒れてお弁当の方に傾いている。
高木「……」
弁当の中にお茶が流れていく。
お茶漬けならぬお茶弁当。
し……んとなる中、薮が一言。
薮「ふむ。クリーンヒット」
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作者名:hina | 作成日時:2018年3月19日 15時