検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:25,288 hit

4 ページ9

そもそも最初にコマンダーが目覚めた時、戦闘データ以外何もなかった。

人としての生活習慣も。

常識的な知識も。

気持ちを表す感情も。

全て知らなかった。




侑李はそれでもいいと思った。

何故なら、彼を目覚めさせた目的は。



『モンスター討伐』



だったから。

グロウアースにはモンスターと戦える戦士がいない。

一方、モンスターは増え続ける。

だから、モンスターと戦う戦士を目覚めさせた。

深月と溟月のスピリットストーンを使って。





目覚めた彼に最初に言ったセリフが。



侑李「僕達を助けてほしい。君はモンスターと戦う為に造られた」



その言葉は侑李の中で今でも後悔している。

あの時は本当に切羽詰まっていたから。

誰かに助けて欲しかったから。

最後の希望が彼だったから。





それに答えるかのように彼はモンスターを倒した。

侑李が思う以上に彼は強かった。

戦士として見ていた侑李は多少の不具合があっても彼を戦わせた。





ある日、深月は言った。

深月「彼にも休息は必要です。彼は戦士ですが私達と同じ今を生きている人です」

侑李は自分の愚かさを知った。

彼を戦う道具として扱っていた事に気付き、自分を最低だと思った。





彼を人として付き合おうと決めたドクターはまずは名前を付けることから始めた。

モンスター討伐の回数を減らした。

涼介の限界が来る前に撤収。

討伐以外は出来るだけ一緒にいて町を回るようにした。

人としての常識を全て教えた。





そして、感情を知った涼介は侑李の前で微笑んだ。

そんな涼介を侑李はいとおしいと思った。

涼介の家族になりたい。

友達になりたい。

親友になりたい。

そう思った。

だからこそ、涼介がシャインアースに行くと決まった時も一緒に付いていった。





そこで明と出会い、それぞれコマンダーとドクターという名前を貰った。

グロウアースのスピリットストーンをコマンダーの核に隠し、シャインアースのストーンを装着した。

シャインアースの人間と関わる際の注意点。

司令塔としての知識。

コマンダーの中のストーンを使用しない戦闘術など。

グロウアースの人間でコマンダーが人造人間である事を隠す準備をした。

誤算だったのはコマンダーがスコープ達に心を許した事。

だがドクターはそれでいいと思った。

コマンダーが人として成長する為に必要な事だと思った。

実際、どんどんとコマンダーは人らしくなっていった。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hina7 | 作成日時:2021年10月20日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。