Twin EARTH～心をむすぶ～ (ページ8)

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湯気が立ち込めるお風呂場でスコープ達は思い思いにゆったりとくつろいでいた。

湯船に浸かるソニックハンターが隣に座るバレットに声をかける。

ソニック「ねえ。絶対フィリナはドクターの事好きだよな」

バレット「ああ。さっきの事ね」

ファル「何？何？何の話？」

バレット「フィリナの事だよ。フィリナはドクターが好きって話」

ファル「そうなのか？俺気付かなかった」

ソニック「いやあ。あれは分かるでしょ」

ファル「じゃあ、あの2人くっつくかな？」

SHINOBI「難しいだろうね。多分、ドクターの方は何とも思ってないから」

「よいしょ」と体を洗い終えたSHINOBIが湯船に足を付ける。

スコープとラピットファイヤーも仲間に入り、全員集合した。

ラピット「それにドクターは今、モンスターとコマンダーの事しか見えてない」

スコープ「コマンダー……か」

和やかだった雰囲気が一瞬で消え、全員が口を閉ざした。

ラボラトリーには2つの研究室がある。

そのうちの1つ、コマンダーの体を調整する彼専用の研究室。

藍色の壁に囲まれた室内の中央にはコの字型のコンピューターと何本もの線で繋がるカプセル。

そこに汚れをすっかり落としたコマンダーが眠っていた。

カプセルの中で光の線が頭から足にかけてゆっくり動くとグラフィックモニターに映る人形の周囲に沢山の文字と数字が並ぶ。

ドクターが素早く読むと満足気に微笑んだ。

ドクター「よし。問題なし」

カプセルの蓋が開き、コマンダーが目を覚ます。

ゆっくりと起き上がったコマンダーに。

ドクター「問題なかったよ」

コマンダー「だから、言っただろう。大丈夫だと」

ドクター「そうだけど。念のため」

コマンダー「………」

会話が終了し、無言で靴を履くコマンダーの姿にドクターは寂しさを覚えた。

昔のコマンダーなら、診察が終了しても他愛ない話をした。

ところが深い眠りから目覚めてからはコマンダーとは必要最低限な事しか話さない。

いや。

正確にはドクターは色々と話しかけている。

必要最低限な事しか話さないのはコマンダーの方だ。

彼が目覚めて2ヶ月。

コマンダーは変わった。

溟月を解放して眠りについたコマンダーを再び、目覚めさせる事は簡単だった。

失った深月と溟月のスピリットストーンさえあればいい。

問題は。

『記憶』。