Twin EARTH～心をむすぶ～ (ページ35)

今日:17 hit、昨日:7 hit、合計:25,303 hit

6 ページ35

それでも、深月はコマンダーをシャインアースに送る事を選んだ。

溟月の命が尽きれば、対である深月も同じように命が尽きる。

そうなれば、シャインアースもグロウアースも滅びてしまう。

だからこそ、深月はコマンダーに2つの地球の運命を任せた。

深月と溟月のスピリットストーンを持つコマンダーにしか出来ない事だったから。

だが、その事をグロウアースの人々は知らない。

地球と地球の巫女の関係はトップシークレットだから。

2人はコマンダーがシャインアースに行った理由もそれがトップシークレットだと言うことも知っている。

それでも。

バレット「コマンダーは裏切ってなんかいない」

それを裏切り行為だと言ってほしくはない。

思わず、心の声がぼそりと漏れる。

静乃「コマ…？」

フィリナ「涼介様の愛称です」

静乃「そうでしたか。勿論、分かっています。涼介様が私達を裏切っていないのは。余程の理由があってあらちの地球に行ったのだと」

ソニックハンターとバレットに対する対応。

夫がモンスターに襲われ亡くなり、自身も怪我を負ったというのにコマンダーを思いやる彼女。

2人はこの短時間で彼女の優しい心に触れた。

だからこそ、何故彼女の子供があんな事を言ったのか理解できなかった。

バレット「父親がモンスターに襲われたと言ってましたが」

晴希「はい。私が悪かったんです。あの子をちゃんと見ていなかったから」

ソニック「聞いてもいいですか？」

晴希「実は深月様の神殿で祈りを捧げている間に晴希が転送装置を動かしてしまったんです」

フィリナ「転送装置は触ってはいけない事になっているんです。ロックもしてあるのですが、悲しいことに触ってしまう方がいて間違って解除されてしまう時があるんです」

ソニック「それで…？」

静乃「晴希が転送されて、私達も慌てて後を追いました。その先であの子がモンスターに襲われているのを見て、旦那が晴希を庇ってそのまま…。私もその時に襲われて。なんとか命は助かったのですがその時の怪我で両足が不自由になりました」

静乃の説明に納得した2人はお互いに顔を見合わせる。

静乃「あの子は自分のせいで父親を死なせたと思っています。でも、認めたくないのもあって、それで涼介様のせいにするんです。あの子は他の人のせいにでもしないと自分を保っていられないです」

やっと分かった。

あの時、ドクターが止めた理由。