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通信を切ったドクターは真剣な表情でホログラムキーをタッピングしているギークの手元をちらりと見た。
タッピングする度に光るキーのスピードが速い。
少年の行方はギークに任せるとして。
ドクター「シーネ。君はコマンダー達のフォローをお願い」
シーネ「分かりました」
シーネが返事をするとすぐにコマンダーと通信を繋いだ。
彼はコマンダーとドクターがシャインアースに行く前から、モンスター退治の時に情報処理を手伝ってくれている。
いわば、ギークと同じ役割だ。
とは言え、能力はスピリットストーンを持つギークの足元にも及ばない。
それでも彼の情報処理能力は平均に比べてかなり高かった。
ギークがイルミを捉え、スコープ達に居場所を伝えたのは5分後だった。
居場所を特定し、向かったスコープとファルコンJrが目にしたのはまさにモンスターがイルミを襲おうとしていた場面だった。
スコープはスティンガーライフルを構え、ファルコンJrは走った。
ファルコンJrがイルミをその身に包む。
エネルギーの銃弾が発砲されるのと同時にファルコンJrの背部をモンスターの鋭い爪が襲った。
イルミの体にファルコンJrの全体重がのしかかる。
イルミ「おに…ちゃん?」
ファル「だいじょ…ぶか?怪我は…ないか?」
イルミ「う…うん」
ファル「そっか…それなら良かった…」
イルミ「でも…お兄ちゃんが…」
ファルコンJrの背中を流れる出血にイルミは青ざめる。
ファル「俺…なら大…丈夫…だ」
一瞬だけ笑顔を見せるとファルコンJrはそのまま気を失った。
一方、スコープは咄嗟にファルコンJrとイルミの前に立った。
目の前ではスティンガーライフルの銃弾を受けたモンスターがゆっくりと立ち上がっている。
スコープはどうするべきか考えていた。
スティンガーライフルは現在前回の戦いで調子が悪く、威力が落ちている。
その証拠にモンスターに傷を負わせてはいるものの致命傷とはならない。
しかも、今のでエネルギーが残り少なくなってしまった。
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作者名:hina7 | 作成日時:2021年10月20日 18時