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黒い雲の結界に覆われた島にも朝はやってくる。

カラッと晴れた青空が闇色に染まっていた島を少しだけ明るくする。

シャインアースの巫女が捕らわれていた地下はスピリットストーンの開放と共に閉鎖された。

スピリットストーンの光に包まれたせんせーションズは光が消えると自然に神殿に移動していた。

外よりは薄暗い神殿も真夜中の闇に比べれば、朝が来たのだと分かる。

モンスター発生装置が破壊され、巫女も解放され、これからは平和に向かって、明るい未来が待っている…というのに、せんせーションズの表情は曇っていた。

8人の瞳に映っているのは一緒に戦い、信頼で結ばれた仲間が瞼を閉じて、時間を止めてしまっている姿だった。

バレット「本当にこんな方法しかなかったのか?」

ぼそりと呟くバレットの質問に誰も答える事が出来なかった。

コマンダーの命とシャインアースの存続。

シャインアースが滅びれば、それだけ多くの命が失われる。

答えなんて普通に考えれば分かる事。

それでも。

後悔する。

信頼する仲間の命は彼らにとってはあまりにも大きすぎる光だから。





悲しみが溢れる中、薄暗かった神殿に小さな光が灯された。

光は少しずつ大きくなり、眩しさに一同は瞳を閉じる。

光が落ち着いた頃、瞼を開けると1人の女性がそこに佇んでいた。

ドクター「溟月様…」

コマンダーが自分の命を使って助けた人。

シャインアースにはいなくてはならない絶対的存在。

溟月「私を解放してくださって有難うございます」

透き通るような声で溟月は深々と頭を下げた。

お礼を言われてもドクターは素直に喜べなかった。

それは他の皆も同じだった。

ファル「地球は助かったけど…」

ファルコンJrの言葉に再び、コマンダーを見る。

スコープ「どうにもやりきれん」

だらりと下げる左手に力が入る。

そんな時、彼女は言った。





溟月「彼ならまた、目覚めさせる事は出来ますよ」

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作者名:hina | 作成日時:2021年7月30日 17時

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