第10章 1 ページ33
それは突然で、あっという間の出来事だった。
レセプションルームに集まったせんせーションズと明。
ギークと明に「話がある」と集められた。
スコープ「それで話ってなんだ？」
ギーク「この間の禿山にあった家の事だけれど」
ソニック「ああ。変な模型が置いてあった」
ギーク「そうそう。実は気になって昨日、明と一緒に行ってきたんだよね。そうしたらさ」
「無くなってたんだ」
コマンダー「無くなってた？」
明「そう。何もかも無くなって、ただの更地になってた」
ギーク「まるで昔からただの広場だったかのように。ね」
SHINOBI「でも、キメラとの戦いで壊れたけど、確かに存在してたよ。家」
ギーク「その通りだよ。ここにいる全員が見てるんだから、家は確かにあった。あったけど、今はないんだ。瓦礫1つもね」
バレット「何で無くなったんだ？」
スコープ「……設計図に書かれていた名前」
ラピット「ああ。『ユーキ』って名前か」
スコープ「それが関係してる？」
ギーク「俺はそう思ってる」
ファル「どう関係してるんだ？『ユーキ』って過去の英雄の名前だろ」
ドクター「へー。流石にそれは覚えているんだ」
ファル「馬鹿にするな。それくらい分かるわ！」
バレット「小さい頃に何度も聞かされるからね」
『ユーキ』とは。
過去に大量のモンスターと戦いシャインアースを救った英雄の1人。
英雄は他に4人いて、名を『セリティア』『フォーリス』『ユーフリアティ』『ヘリ・トール』と言う。
彼らは戦いが終わってから、人々を見守る君主として余生を送った。
その後、名誉として5つの大陸に彼らの名が付けられている。
SHINOBI「その絵本を両親が何度も読んでくれたよ」
スコープ「ああ。あれだろ。『2つの地球』ってやつ。俺もその絵本を読んでくれたな」
ソニック「子供のいる家は必ず、あったんじゃないか？」
ファル「あれで『グロウアースは怖い所だ』って俺は教えられた」
ギーク「俺は『グロウアースの人間は狂ってる』だったな」
バレット「俺もだ。だから、子供の時はグロウアースが恐くて仕方がなかった。まあ、今も似たり寄ったりだけど」
ラピット「仕方ない。俺達はそのように育てられたんだから」
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作者名：hina | 作成日時：2021年6月5日 19時
