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羽崎「もしかしたら、強制転送を考えた方がいいかもしれんな」

明「そのようだな」

せんせーションズの戦いを大型モニター越しで見ていた羽崎が呟くと明も同意する。

何かに気付いたギークは手元にある小さなモニターにスコープの耳元をアップにすると隣のドクターも横から覗き込んだ。

ギーク「スピリットストーンが少しくすんでいる」

ドクター「腐食し始めている?」

ギーク「そのようだね。残りのこぶはあと1個か」

モニターでは今も腐食粉が降り注がれている。

残りのこぶを破壊し、キメラを処理して戻るまでスピリットストーンがもつかどうか。

いや、最低でもこぶを破壊するまでもってほしい。

ギーク「でも、今撤退したとしても次にあのキメラを倒せるかどうか」

せんせーションズは1度撤退している。

流石にキメラもせんせーションズの狙いはこぶだと分かっているみたいで、脚を失いながらもこぶを守ろうと必死で抵抗してる。

次に再々戦する時に同じ作戦が通用するかどうか。

ドクター「でも、スピリットストーンが完全に腐食したら…」




完全に腐食したら……。

スピリットストーンは使えなくなる。





例え使えたとしても、腐食の具合によってはカビを取り除くにはどれだけの時間が掛かるか。

もし、その間に次のモンスターが現れたら……。




羽崎「う〜む」

明「コマンダーはこの事に気付いている」

羽崎「コマンダーの判断に任せるか。万が一の事を考えて、明」

明「何?」

羽崎「いつでも転送出来るようにしておいてくれ」

明「分かった」




全員がモニターに注目している中、ドクターは大きくなっていく不安を胸に小さく呟いた。




ドクター「コマンダー……」

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作者名:hina | 作成日時:2021年6月5日 19時

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