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厳しいドクターの言葉。

それは2人が絶対に心を開かないと言っているのも同じだった。

ファルコンJrとバレットの目にドクターとの分厚い壁が見えた。

思わず、ファルコンJrは下唇を噛んだ。

ファル(何で…。何でこんな事に)




コマンダーとドクターは人々を守る為に一緒に戦う仲間で。

一緒に生活を共にする仲間で。

一緒に強くなっていく仲間。

なのに。

そこには信頼の1つもない。

それじゃあ、『仲間』じゃなくて『ただいる人』だ。




そんなの……。




ファル「嫌だ」

ドクター「は?」

ファル「俺は諦めない。絶対に」

バレット「うん。俺も諦めたくない」

ドクター「…………」

ファル「俺達は出会って。一緒に暮らして。同じ時間を過ごしている。だから、俺にとってここにいる者達は皆仲間だ。仲間なんだよ」

バレット「一緒に戦うって事は苦楽を共にするって事だろ。ただ戦うんじゃない。共に戦いたいんだ。仲間として」

2人は目の前にいる信頼を得たい相手の目をじっと見つめた。

ドクターも同じように2人の目に目線を固定する。





そうして、どれくらいの時間が経ったのだろうか。

お互い目線を外さないまま時間が過ぎ、やがて、ドクターが大きなため息を落として、それは外された。

ドクター「物好きだね。キッパリと拒絶している相手をそれでも受け入れようなんて。いいよ。ヒントを教えてあげる」

途端に2人の表情が笑顔になる。

ドクター「コマンダーは愛情を貰った事がない」

バレット「愛情?」

ドクター「正確には愛情が分からない。知らない。というべきかな」

ファル「それって過去に関係あるのか?」

ドクター「知らないから、そこに愛情があっても分からない。気付かないんだ」

ドクターは質問を受け付けないと言わんばかりにファルコンJrの質問を無視して話を続けた。

バレットがその事に気付き、ファルコンJrの腕を小突く。

過去については話してくれない。

そこまでの信頼には至ってない。

それに気付いたファルコンJrは慌てて、口を押さえた。

ドクターはそのリアクションさえもスルーした。

ドクター「僕の信頼は簡単」

バレット「え?」

ファル「簡単?」




ドクター「コマンダーが君達を信頼したら」

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作者名:hina | 作成日時:2021年6月5日 19時

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