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強風が止み、身体を起こす。

ギーク「ごめん。やっぱり、この鉱石ではもたなかった」

額から赤い液を流しながら、ギークは顔をあげる。

ファル「ギークのバカが」

バレット「大人しく向こうにいれば良かったのに」

ギーク「ほんとにね」

お互い笑みを浮かべると「今度こそ最後だ!」とでも言いたいのかモンスターが雄叫びを上げて、羽を広げた。

今度こそ、3人は死を覚悟した。





ところがいつまで経っても、モンスターは羽を広げたままで攻撃してこない。

バレット「攻撃が…来ない?」

3人が訝しんでいるとモンスターの悲鳴が大空に広がった。

次の瞬間、3人は目にした。

モンスターの羽が切り落とされ、遅れて体幹も落ちていく様を。





羽と体幹が地上に到達すると薄く溜まっていた水が跳ね上がり、辺りに地響きのような音をさせ、木々は大きく揺れた。





一体何が起きたのか。

疲労と痛みと出血で意識が朦朧としてきた3人の前に1つの人影が地面に下り立った。

人影はゆっくりと近付いてくる。

意識が薄れていく中、3人は人影の顔を認識する。



ファル「コ…マンダー……」



完全に視界は暗くなった。

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作者名:hina | 作成日時:2021年6月5日 19時

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