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モンスターを惹き付ける為に移動する2人を見送り、ギークが1人残った。

ギーク「やれやれ。そんなにコマンダーの信頼が必要かね」

小さくなっていく2人の背中にちょっとだけ皮肉を混ぜて呟く。

ギーク「違うか。仲間の為…だな。ただ、仲間が苦しんでいるから助けたい。それだけ。全く純粋だねぇ」

ファルコンJrとバレットの仲間を思う気持ちにふっ…とギークは考える。

ギーク「って事は俺も純粋…?わおっ!」




ドクター『君には最も似合わない言葉だね』




ギークの目の前に突然回線が繋がり、モニターにドクターが映る。

ギーク「おっと。独り言を盗み聞きするなんて悪趣味だなぁ」

ドクター『何言ってるの。スピリットストーンは通じたままにしてるんだから、聞こえるの当たり前でしょ。君はいつもこっち側だから、それはよく分かってるでしょ。そんな事よりコマンダーを助けたいなら、さっさと薬草を転送してよね』

ブチッとモニターが切れた。

ギーク「はいはい。分かってるって」





ドクターがギークとの通信を切ると丁度、モンスターが雄叫びを上げて飛び上がった。

モニターは2つの映像に分けられる。

遠くから怒りのモンスターが近付いてくる映像と画面からいなくなる映像。

モンスターが画面からいなくなった方は薬草へと距離を縮めるのを見て、ギークが薬草を取りに行ったと確信するとドクターは息を漏らす。

ドクター「ほんと、侮れない奴」

最初にコマンダーとドクターの心がせんせーションズに向いていないと気付いたのはギークだった。

だがギークは彼らと普通に接した。
 




ドクターが疑いを持ったのはついこの間。

今回、ギークがいるにも関わらず、素の態度をとっていたのはそれを確かめる為。

案の定、ギークは態度を変えたドクターに驚きも戸惑いもしなかった。

確信を得たドクターだったが、ギークがコマンダーを仲間だと認めていたのは予想外だった。

ドクター「まっ。僕には関係ないけどね」




ギークが薬草を転送したのはドクターが通信を切って10分後だった。

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作者名:hina | 作成日時:2021年6月5日 19時

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