Phantom thief 〜月光の宝石〜 3

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今まで涼介はダークストーンを浄化した後、浸食された者の記憶を消してきた。

その中に稀に記憶を消去出来なかった者がいる。

その共通点がジュエリーの持ち主であり、涼介の心に強く残っている者。

例えそれが良くない事でも。

慧はその事実を考え、雄也は何となく気付いていた。

あの時、涼介は抑制されない力で全ての人の記憶を消そうとした。

それには雄也達も含まれていた。

雄也達が持つジュエリーを取り上げようとしたのはその為。

抑制されない力は条件関係なく記憶を消去できたから。

そこで慧は自身から出現したアレキサンドライトを持っていれば、それを防げるのではないかと考えた。

ジュエリーは持ち主を守ってくれる力もあるから。

慧がアレキサンドライトを渡さなかった事で雄也も何かに気付き、同じようにした。

結果、その考えは合っていた。

浄化が終わると4人の記憶に影響はなかった。





涼介は彼らの記憶とジュエリーをそのままにして自分の世界に帰っていった。

必ず戻ると約束をしないまま。







過去の記憶を掘り起こしていた大貴は突然、いたたまれなくなり体を震わせ、両手を上げて叫んだ。

大貴「う〜。早く帰ってこ〜い！」

突然の大声に雄也達が目を丸くして驚く。





そんな時だった。





バッターーーン！！





店の扉が勢い良く開かれた。

その大音量に大貴は両手を上げた状態で雄也達は目を丸くしたまま、派手に開いた扉の方に顔を向けた。

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