Phantom thief 〜月光の宝石〜 3

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映像を見た真山が頭を振りながら2.3歩後ろに下がる。

真山の表情は怯えしかなかった。

真山「お…俺は…皆の病気を治して……。幸せになってほしいと…」

エース(涼介)「貴方のその考えは凄く素敵だ。でも、ダークストーンはその考えとは逆の事を、貴方の命を使ってやっている」

エースは優しく声を掛けながら、少しずつ真山との距離を縮める。

エース「ダークストーンは確かに貴方の夢を叶えてくれる。でも、それと同時に貴方の命を蝕み、貴方が幸せにしたいと思っている人達を不幸にしてる」

真山「俺が…皆を苦しめている…」

エース「違う。皆を苦しめているのはダークストーンが宿ったこの顕微鏡だ」

真山の手の中にある顕微鏡に涼介はそっと触れた。

真山「でも…これがなかったら俺は…」

スペード「あんたは誰よりも苦しんでいる人達を治したいと思ってる。立派な医師じゃないか」

ダイヤ「これだけ大規模な被害を出したと言うことはそれだけあんたの願いは強いって事だ」

真山「…俺は身近になってしまった病気を完全に治したいと思った。そうすれば毎回病気で苦しんだり、怯えなくてもいい…と思った」

エース「素敵だね。その思い。これからも貴方は苦労するかもしれない。でも、その思いがあればきっと出来る」





怪盗y-ELLOW-voiceの言葉に真山は光を見つける。

3人はこれからの真山を祝福しているような笑みをしていた。




そして。




真山は顕微鏡から。




手を離した。

第16夜 1→←5

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