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屋上から外に出ると快晴の空が姿を現した。
柵に体重を預け、ダイヤモンドを空に翳す。
涼介(これを始めて約2年……か)
これ、とは言わずと知れた怪盗y-ELLOW-voiceのこと。
涼介(あいつらもすっかりジュエリーに慣れちゃったな)
結成当初を思い出しながら涼介は太陽の光で輝くダイヤモンドに目を細める。
涼介(本当にこれで良かったのか……)
自分の仕事に彼らを巻き込んだことを。
エメラルドの光が消えると光は改めてそれを見つめた。
光「ほんとに不思議な宝石だよな」
雄也「確かに。見た目はただの宝石に見えるのに実際は不思議な力を持ってるんだからな」
光「しかもこの宝石。俺の中にあったものだからもっと不思議だ」
雄也「ああ。本当に」
雄也と光が持っているジュエリーは特別な力を持っている。
例えば、身体に強靭な力を与える。
ミストを出して目眩ましをする。
物に対して性能を良くする。
等々。
先程、警察の会議を映したのもジュエリーの力だ。
大貴が今、制作している物に関してもジュエリーの力を使えばただの道具ではなくなる。
これらを使用し、怪盗y-ELLOW-voiceはスムーズに活動が出来た。
それぞれが使うジュエリーは。
涼介がダイヤモンド。
雄也がサファイア。
光がエメラルド。
当然、本人以外ジュエリーは使えないし、ある条件がないと持ち主になれない。
大貴は残念ながらジュエリーの持ち主ではない。
つまり『y-ELLOW-voice』とはジュエリーの秘めたる力を使い、盗みをする怪盗である。
とあるマンションの一室に引きこもりの男がいる。
その男は常にパソコンの前で作業をしていた。
慧「今夜0時……か」
1人ぼそりと呟き、コーヒーカップに手をかけた。
慧「情報は小さな事までしっかりと取らないとね」
ごくごくとコーヒーを飲み干すと再び、手を動かし始めた。
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作者名:hina | 作成日時:2020年10月4日 21時