Phantom thief ～月光の宝石～ (ページ7)

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コンクリートの壁で囲まれた窓のない広い部屋。

中央にはシックなダイニングテーブルが陣取り、部屋のすみにはローテーブルとソファが置かれている。

壁側のデスクには2台のパソコンと3つのモニターが並び、隣のデスクには工具や機械が占領している。

天井には広い部屋の空気が循環するように2つのファンがゆっくりと回っていた。

その部屋に4人の青年が集まり、不思議な光を放つ物体が浮かんでいるモニターに視線を集中させていた。

警察の会議の様子を映した映像が終了すると不思議な光は消え、透明な石に変化した。

光「屋上に続く通路…ね」

モニターから視線を離し、光はフッと鼻先で笑う。

雄也「確かに俺らっていつも屋上から逃げてるな」

腕を組んでモニターを見ていた雄也が過去の記憶を辿る。

大貴「屋上っていうよりは空だけど」

椅子に座ったまま体勢を崩した大貴が突っ込む。

涼介「まあ、空の方が障害物がないから」

その突っ込みに輪をかける涼介。

大貴「ヘリコプターは？」

涼介「あれは障害物のうちに入らない」

光「でっ。どうするんだ？今回は」

雄也「まあ、警備の人数がどれだけ増えようが俺達には大した事じゃあないが……」

涼介「警察の要望に答えて地上から逃げるか？」

ニッと口角を上げ、いたずらっ子のように笑う。

大貴「要望に答えてないと思うけど」

雄也「いいんじゃねぇの。騒ぐ見物人の間をすり抜け颯爽と逃げる」

光「からの～空に舞い上がる」

涼介「いいね。行動は派手に」

答えが一致した3人はお互いに不適な笑みを見せた。