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本格的に進路を決めないといけない秋時期やって来た。
大貴はとある決心をした。
それは。
『怪盗y-ELLOW-voiceの仲間にしてもらう』
とは言え、彼らの正体も居場所も知らない。
まずは彼らの居場所を突き止めようと発信器を造った。
それから、活動する深夜に現場に赴き、彼らに発信器を付けるチャンスを待った。
発信器が出来て3ヶ月。
その間、チャンスは1回もなかった。
警察の警備は当然、厳しいし、y-ELLOW-voiceが逃走する道で待ち伏せしようとしても彼らの逃走経路は空の上。
待ち伏せなんて出来やしない。
それでも大貴は諦めなかった。
その甲斐があったのか、執念が実を結んだのかある日、チャンスが訪れた。
白い息が呼吸する度に見える深夜。
怪盗y-ELLOW-voiceが警備を掻い潜り、見事逃走に成功した。
見物人も解散となって、大貴も家に帰ろうとしたその途中で見てしまったのだ。
人気のない細い路地裏に怪盗y-ELLOW-voiceの1人が空から降りてくる所を。
大貴は走った。
今なら怪盗y-ELLOW-voiceと接触出来る、と。
このチャンスを絶対に無駄にはしないと大貴は焦った。
その焦りで目の前に人がいたことに気が付かなかった。
勢いよく人にぶつかるとそのまま地面にお尻をぶつけた。
大貴「あいたたたた……」
「ごめん。よそ見してた」
ぶつかった相手が大貴に手を差し伸べる。
大貴「ごめんなさい。俺も急いでいたから」
手を伸ばし、差し出された手を掴みながら、ふと見上げると大貴が今一番会いたかった人物がそこにいた。
エース「ケガしてない?痛みは大丈夫?」
大貴「あっ……はい……。大…丈夫…です」
思いがけない出会いに大貴は呆然となった。
確かに偶然y-ELLOW-voiceが降りてくる瞬間を目撃して走ってきたが、まさか目の前にいるとは思わなかった。
エース「そっか。なら良かった。じゃ。俺は急いでいるんで」
未だ呆然としている大貴をそのままに、エースは片手を上げると人間とは思えないほどのスピードでその場から立ち去った。
数分後。
大貴「しまった〜!折角のチャンスが〜!!」
我に返った大貴の言葉が木霊していた。
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作者名:hina | 作成日時:2020年10月4日 21時