Phantom thief ～月光の宝石～ (ページ26)

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深夜になって家に着くと強い疲労から、そのまま畳の上で寝てしまった雄也と光は部屋中を照らす太陽の光で次の日、目を覚ました。

2人は天井を見上げたまま、しばらく、ぼ〜っとしていた。

どれくらいの時間が経ったのだろうか。

光がぼそりと口を開いた。

光「なあ…」

雄也「ん……？」

光「どうする？これから」

雄也「何が？」

光「音楽」

雄也「あ～」

光「バイト増やしてお金貯めて。ギター買って音楽続けるか。それとも諦めて就活するか」

雄也「そうだな……」

2人の会話が途切れる。

静かになった部屋に車が通り過ぎる音が響く。

雄也「俺。今から無責任なこと言うな。俺さ、音楽どうでも良くなった」

光「…………」

雄也「かと言って就職する気にもならない。と言うより……他にやりたい事見つけた。ごめん。光。勝手な事言って」

光「いや…。実は、俺も全く同じ気持ちなんだ」

それを聞いた雄也は驚き、思いっきり体を起こして隣で横になっている光を見下ろす。

雄也「それって……」

一瞬、雄也と視線を合わせてから、光もゆっくりと起き上がる。

光「ああ。多分、雄也が思ってる事と一緒だと思う」

お互い顔を見合わせるとニヤリと笑う。

雄也「やるか！」

光「ああ！」

大貴「それで、それで…？」

続きが早く聞きたい大貴が先へ先へと急かす。

雄也「それからは涼介を探したんだ」

大貴「え？探したのか？大変だったんじゃないか？手掛かりなんてなかっただろ」

光「そう。手掛かりなんてない。見つかる保証もない。それでも『俺達は絶対に見つける！』って探したんだ」

雄也と光は涼介のやっている事を自分達もやりたいと思った。

それは他の人が聞けば「夢だったんじゃないか？」って言うだろう。

信じてもらえる話ではないだろう。

それでも2人は実際に目で見て、体験した。

そして。

彼の持つダイヤモンドに目を奪われた。

ダークストーンが浄化され、ジュエリーが現れた光景に気持ちを動かされた。

だから、何年掛かってもいい。

絶対に探し出すと決めた。

そう意気込んだのにーー。