Phantom thief ～月光の宝石～ (ページ23)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:42,445 hit

5 ページ23

光「えっ？」

2人は思わず、目を見開いた。

深夜も近いという時に誰も居ない筈の公園に人がいた。

しかも、その青年は歩いてきた様子はない。

何もないところに一瞬で現れたのだ。

怪しげな登場をした青年はじっと雄也と光に目を向けている。

雄也「なっ…何か用か」

「ギター」

光「ギター…？」

「君たちのギターが欲しいんだ」

突然、現れて、凝視され、それだけでも充分に怪しい青年はあろうことか2人が最も大事にしているギターを欲しいと言っている。

雄也は彼の怪しい行動を一瞬で忘れ、逆上した。

雄也「はあ？何言ってんだ！ギターくれって！お前誰だよ！」

涼介「涼介」

雄也「は？」

涼介「涼介」

光「それより、ギターが欲しいってどういうこと？」

涼介「それよりって……。まあ、いいか。言葉どおり。君達が使ってるギターが欲しいんだ」

雄也「そんなの『はい、どうぞ』ってあげられるわけないだろ」

光「これは俺達が大事にしてるものだ。いくら積んだってあげられない」

涼介「それは君達に害をもたらすもの。手放した方がいい」

雄也「何訳の分からない事言ってる？」

涼介「君達、最近、体の調子良くないだろ」

雄光「「…………」」

2人は急に口を閉ざした。

初対面の人間にこうも簡単に見破られるとは。

それほどまでに自分達は病んでいたのだろうか。

光「でも、それとこのギターは関係ないだろ」

涼介「いや。大有りだ」

雄也「お前の言ってる事がさっぱり分かんないんだけど」

涼介「ん〜。まあ、どうせ忘れるからいいや」

涼介はちらりとギターに目をやると一度息を吐いて話始めた。

涼介「過去にあんた達絶望を経験しただろ。理由は分からないけど。まあ、対象がギターって事は絶望の理由は音楽に関係あることかな」

雄也(何で分かるんだ)

ズバッと当てられ、雄也と光は警戒を強めた。

そんな2人に気付いているのかいないのか、涼介はダークストーンの事について話を進めた。