Phantom thief ～月光の宝石～ (ページ16)

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絶体絶命のピンチ。

なんてな。

y-ELLOW-voiceにとってこのような状態はピンチでもなんでもない。

エース(涼介)「俺達は捕まらない。絶対に」

宏太「絶体捕まえて見せる」

宏太達はy-ELLOW-voiceの3人から目線を外さずに身構えた。

すると。

ダイヤ(光)「スリー」

スペード(雄也)「ツー」

カウントし始めたy-ELLOW-voiceに4人は疑問した。

宏太(何をしようとしている)

さらに警戒する4人。

エース「ワン」

y-ELLOW-voice「「GO！！」」

y-ELLOW-voiceは何かを上に投げる。

投げた物は60cmぐらいの板となり、落ちてきた。

それを狙い、瞬時に掴むと自分の足元に置き、飛び乗った。

同時に板から勢いよく熱が発射されたかと思うと、次の瞬間、y-ELLOW-voiceは4人の間を素早いスピードですり抜けた。

侑李「何！？」

裕翔「ジェットスノボー！？それともボード！？」

ボードから小さな火を吹き、コンクリートの上を勢いよく滑るジェットボードを巧みに操りながら、3人は出口を目指した。

ジェットボードに気を取られ、出遅れた4人は怪盗y-ELLOW-voiceの後を追いかける。

とはいえ、ジェットボードに人間の足が追いつけるはずもなく、どんどんと離されていった。

裕翔「くそっ！」

裕翔が舌打ちする。

侑李「このままじゃ……」

『また、逃げられる』

胸の内に不安が押し寄せる。

それに追い討ちをかけるかのように4人の耳に絶望の音が届いた。

圭人「シャッターが、開く！？」

宏太「まさか！シャッターは開かないはずじゃ……」

シャッターの開閉が出来る制御室には施設の関係者と警察がいる。

よってシャッターが開く筈がない。

宏太「何で……！？」

侑李「薮さん！そんな事は後で！今は追うのが先！！」

宏太「！！」

我に返った宏太は前を走り出した仲間の後を追いかける。

しかし、相手はジェットボード。

己の足では叶う筈もなく、怪盗y-ELLOW-voiceは外に飛び出した。

エース「絵画『夕陽に染まる街』を頂いた！それでは」

y-ELLOW-voice「「オルヴォワール」」

捨て台詞と共に……。