11 ページ17
襲ってきた男と同じ黒い靄を纏った見たこともない生き物が侑李の目の前に迫っている。
侑李「ひっ！」
生き物は腕を振り上げて侑李を攻撃しようとしている。
その恐怖から侑李は思わず、目をつぶった。
視界を自らシャットダウンし、音だけが耳に届く。
聞いたことのない奇声。
その後に感じる人肌と苦痛の声。
侑李がゆっくりと目を開けると涼介の顔がすぐそこにあった。
侑李「涼介……」
涼介「大丈夫か？侑李…」
侑李「涼介…。これは……」
涼介「うっ…」
涼介の表情が苦痛に歪むと侑李の体に全体重がのしかかってきた。
侑李「涼介！？」
叫ぶと同時に右手に感じるぬるっとした感触。
侑李「えっ？」
一体、何なのか、恐る恐る見るとそこには赤く染まった自分の右手があった。
よく見ると涼介の背中には大きな傷と、再び腕を振り上げている生き物の姿があった。
侑李(駄目だ！このままじゃ涼介が！)
そう思った瞬間に生き物が水に覆われた。
ケイ「涼介！！」
ケイが右腕を前に出したまま、負傷した涼介に近寄る。
ケイ「涼介！！」
涼介「大…丈夫……だから…。ケ…イは魔物…を…」
ケイ「しゃべらなくていい」
水に閉じ込められた生き物がもがき苦しんでいる。
ケイが前に出している手を握り締めると生き物は一瞬で消えた。
同じ頃、涼介が受けた痛みを体で感じながら戦っていたダイキも魔物に取り憑かれた男を倒していた。
戦いが終わるとケイが涼介の頭に手をそっと置く。
ケイ「涼介。帰ろう。手当てしないと」
本当は勝手に付いてきた侑李を怒りたいところだが、今は涼介のケガの方が大事だ。
涼介「でも…魔…物が」
ケイ「それならもう倒した」
涼介「そっか……」
小さく微笑むと涼介は安心したのか気を失った。
侑李はダイキに送られて、自分の家に向かって歩いていた。
この世のものとは思えない生き物。
ダイキとケイの不思議な力。
あれは一体何だったのか。
負傷した涼介を背中に乗せて、ケイは突然現れた赤い鳥居をくぐり何処かに行ってしまった。
あの後、涼介はどうなったのか。
聞きたいことは山ほどあるのに無言で歩くダイキに不機嫌オーラを感じ取り、到底、聞ける雰囲気ではなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hina(プロフ) - 霙（みぞれ）さん» そう言って頂けると凄く嬉しいです。有難うございます。 (2020年1月30日 21時) (
レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
霙（みぞれ）(プロフ) - 本当に好きすぎます…！！これからも楽しみにしてますね！ (2020年1月29日 15時) (レス) id: 85d5651a75 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - NMダイキング担さん» おめでとうございます。こちらこそいつも読んで頂いて有難うございます。 (2020年1月5日 21時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - あけましておめでとうございます！今年もよろしくお願いいたしますm(__)mお大事にしてください (2020年1月5日 11時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» おめでとうございます。こちらの方がお願いします。いつも、有難うございます。 (2020年1月2日 21時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hina | 作成日時：2019年12月7日 21時
