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涼介の隣を行く裕翔がぼそりと話し出した。
裕翔「俺さ。今まで何人もの魔物に取り憑かれた人を見てきた。その中には助かった人もいたけど助からなかった人もいた」
涼介「うん」
裕翔「知り合いに魔物が取り憑いてたのは初めて。それも、小さい頃からよく一緒に遊んで貰っていたお姉さんだなんて」
涼介「…………」
裕翔「さっきから、その思い出ばかりが浮かんでくるんだ」
裕翔の瞳にうっすらと涙が浮かびあがる。
涼介と裕翔の前を歩くケイとヒカルは黙ったまま裕翔の話を聞いている。
後ろを付いてくる修也は裕翔と同じように目を潤ませていた。
裕翔「何で優衣姉さんだったんだろうな。何で切り離しが出来ないところまでなっちゃったんだろうなって、疑問しか思い浮かばないよ」
涼介「………悲しいな」
裕翔「うん。悲しい」
涼介「また、何かを探してる」
ダイキの案内で広い自然公園の中にある小さな森に入った。
その中央を跨ぐ小さな川の途中に池のような浅瀬があった。
そこは夏になると子供達の水遊び場となる。
その浅瀬で優衣は靴を履いたまま、服が濡れるのも気にせずに何かを探していた。
ダイキ「ほんとに何を探してるんだ?」
ケイ「さあね。分からない」
ヒカル「でも、今はそんな事関係ない。魔物を倒して相原さんを成仏させないと」
裕翔「うん。お願いね」
裕翔は頷くと開放した。
ゆらりと近付く優衣。
黒い靄を身に纏い、無表情の優衣に不気味さと恐怖を感じ、修也は後ずさる。
表情から怯えが見えた。
ヒカルが優衣を捕らえようと風を放つが、考えていたよりも素早い動きに簡単に避けられてしまった。
ヒカル「ダイキ。攻撃でこっちの気を反らしてくれ」
ダイキ「了解」
頷くと同時にダイキは地面を蹴り、走り出した。
ダイキの炎とヒカルの風。
2つの攻撃が交互に優衣を襲うが優衣は簡単に避ける。
裕翔「なんて素早いんだ」
ケイ「取り憑いた魔物が素早さに長けていたんだろうね」
戦いを見守っている裕翔に対し、ケイは明らかに他人事のように観賞している。
そこに攻撃を一時中断したダイキが降り立つ。
ダイキ「おい。ケイ。お前も手伝え」
ケイ「何言ってんの。俺の力はいざっという時の為に取っとかないと」
ダイキ「何がいざ…だ。いつも楽しやがって」
かすりもしない攻撃といつもと変わらないケイの態度に若干苛立っているダイキ。
裕翔「でも、本当にどうしたら?」
ヒカル「このままじゃ、只の消耗戦だ」
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hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» お久しぶりですね。まあ、2歳なので……。覚えてるのは難しいでしょうね(笑) (2019年11月22日 20時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - お久しぶりです!!…涼介はダイキとの契約の時のこと覚えてないんですね 笑 続き楽しみにしてます♪ (2019年11月22日 0時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - NMダイキング担さん» すみません。返事を返していない事に気付きました。もう少し、物語は続くのでお付き合い下さい。 (2019年11月11日 20時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - これからどうなるのか、気になり過ぎます!!!! (2019年10月19日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» すっごく伝わります。ただ、コメント忘れても大丈夫です。楽しんでくださってると思うだけでも嬉しいですから。本当に有難うございます。 (2019年10月17日 21時) (レス) id: 3a7570e4ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hina | 作成日時:2019年9月6日 20時