検索窓
今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:91,089 hit

ゆーや 1 ページ43

宏太「なあ、雄也」

コンピュータの起動音だけが響く管理室で宏太が作業の手を止めて話しかけてきた。

雄也「ん?何?」

宏太「慧と涼介の事だけどさ」

2人の名前に俺の手が止まる。

宏太「何を隠しているんだろうな」

そんな事、俺に聞いても分かる筈がない。

答えなんて返ってくる筈がないと分かっていて宏太は敢えて、俺に質問した。

2人を信じて待つと決めた宏太だったけれども、やはり、不安なんだろうな。

加えて長男の自分にも話してくれない。

宏太は悲しいのかもしれない。

雄也「さあ…な。俺には分からない」

それでも、俺にはそれしか答えられない。

宏太「そう…だよな」

雄也「たださ、2人が隠していることは涼介が隠していることだと思う」

宏太「俺もそう思う。慧は何らかの形でその秘密を知った。もしくは涼介が慧にだけ話した」

雄也「俺達には話さないで慧だけに…」

宏太「そもそも、研究所で過ごしていた涼介にとって、兄弟の中で1番親しいのは同じ研究所にいた慧だ」





そう。

涼介は知能の高さから5歳の時に研究所へ招かれた。

その日から、殆ど家に帰らなくなった。

当然、俺達との交流は果てしなく低い。

唯一、涼介と交流があったのは同じ研究所に通っていた母さんと慧。

ただ、棟は別と聞いていたから、何処まで会っていたのかは分からない。

けれども、確実に今いる兄弟の中では慧が一番面識があった。



宏太「俺も結構、研究所に通ったんだけどな」

雄也「そうだな…。仕事の帰りや休みの日に一緒に通ったよな」



「「…………」」



ぼそりと呟いた宏太の言葉とそれに答えた俺の言葉にどこか違和感を覚える。

雄也「何言ってんだよ。宏太は中央都市勤務だろ。研究都市に通う理由なんかないだろうが」

宏太「雄也こそ。俺達の勤務終了時間はバラバラだろ。一緒に帰るなんて事、あまりなかったじゃないか」



「「…………」」



お互い顔を見合わせて、首を傾ける。

宏太「そう…だよな。俺達は研究都市にはあまり行かない。なんで、通ったなんて思ったんだろう」

雄也「うん。何だろう?」



「「…………」」



3度目の沈黙。

宏太「まっ、まあ、どっちにしろ涼介が起きてくるまで、慧は話すつもりはないってことだよな」

雄也「そっ、そういう事だな」

ちょっとだけ気まづくなった俺達は無理矢理に話を完結させて、作業を再開した。

2→←けい&ひかる&こーた



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
230人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , 家族 , 山田涼介   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

hina(プロフ) - 半チャーハン大盛さん» 有難うございます。最後まで頑張ります。ところで私は「様」を付けるほど偉くないので気軽に呼び捨てでいいですよ。 (2019年1月23日 21時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 有難うございます。お言葉を励みに頑張ります。 (2019年1月23日 21時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
半チャーハン大盛(プロフ) - hina様の作品はどれも面白くて、とても続きが気になるような作品ばかりで驚かされてます!!今回の作品も毎日更新を楽しみに待ってます!!体調に気をつけて頑張ってください。応援してます!! (2019年1月23日 1時) (レス) id: d24a986904 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - とても見入ってしまう作品でした!!!更新頑張ってください!!!楽しみに待ってます!!! (2019年1月22日 2時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 渚さん» 2度目のコメント有難うございます。これから色々分かってきますのでお付き合い下さい。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hina | 作成日時:2018年12月20日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。