とある兄弟の未来物語 2

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涼介「骨折を自然に治す方法はミドルで調べたら、出来ない事はない。でも、デメリットが多すぎるんだ」

圭人「それは何？」

涼介「まずは治るのに1ヵ月から1ヵ月半かかる。その間、足を地面に着けてはいけないし、松葉杖も必要になる。生活に制限が出たり、不便な所もある。最初のうちは痛みだってある。勿論、治る進行状態を知らないといけないから、時々、医療カプセルに入って診断をしないといけない。治った後もリハビリが必要」

裕翔「何か大変そう」

涼介「それと1番大事な事は僕は医師じゃない。僕は資料を見てそのとおりにするだけ。それでもいいなら…」





裕翔の言うとおり、すごく大変そう。

やっぱり、医療カプセルの方がいいかな？

でも。

眠りにつくのは恐い。

僕は迷っていた。

兄さん達の視線が迷っている僕に注がれる。

しばらく答えに戸惑っていると宏兄が僕の頭に手をそっと置いた。

宏太「こればかりは侑李が選ぶしかないな。1週間後目覚めるのを信じて医療カプセルに入るか。大変だけど、涼介と一緒に頑張るか。もちろん、その時は俺達も全力でサポートする」

涼介と一緒に頑張る？

僕は宏兄の言葉に疑問を感じた。

頑張るのは僕。

涼介は治す立場だから、頑張る必要はないと思う。



でも……。



『僕は医師じゃない』



涼介兄さんの言葉がふと浮かんでくる。

ああ、そうか。

涼介兄さんは医師じゃない。

だから、本来自然療法は選択肢の内に入らないんだ。

だけれども、涼介兄さんは敢えて、選択肢に自然療法を入れている。

僕が医療カプセルで眠る事を怖がっているから。

初めてのことだけれども、僕の為にやろうとしてくれている。

そう思ったら、僕の中で涼介兄さんへの好意がちょっとだけ生まれた。





僕は涼介兄さんの方に顔を向けて恐る恐る聞いてみた。

侑李「1週間で絶対、起こしてくれる？」

涼介「うん。絶対起こすよ」

侑李「……じゃあ、入る」

慧「俺もいる。医療カプセルの使い方は覚えたから」

侑李「うん。お願い」

涼介「分かった」

そこからはあっという間に医療カプセルに寝かされ、僕は眠りながら治療を開始した。

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